こんなんだったっけ日記

さよなら はてなダイアリー

ミーハー

 既に旧聞に属する話であるが、10月20日放送の『LIVE MONSTER』、見逃してしまい(例によって)インターネットに頼って視聴したのだが、私のようなファンにもトーク部分が非常に面白い回であった。
 その理由は当然ながら話題が音楽、特に「音楽制作」に焦点の当たったものであったことにあり、ドリカムの中村正人、つまり楽曲制作と大規模コンサートのプロデュースの両方を手がける人物が司会を受け持ったことが直接に良い結果をもたらしていた。殊にツアーについて、準備の期間やその在り方、選曲など、少なくとも私にとっては珍しく感じられる話題が色々とメンバーの口から語られ、とても楽しかった。中村氏は、関ジャニ∞の作品をちゃんと聴いているなということも感じられ、好印象でした。
 ドリカムのメンバー(則ち吉田美和のサポーター)であり、プロデューサーでもあるという中村の在り方は、どこか既視感があるなあと思ったら、松任谷正隆を思わせるのであった。実は私は松任谷正隆の語り口というのはあまり好きではないのだが(キャラメル・ママのメンバーとしては尊敬していますが)、中村は気の良いオッチャン的な雰囲気もあって、なかなか良いMCだったように思う。
 余談ながら、司会が中村正人である縁で、ゲスト入場時のBGM演奏(確か「無責任ヒーロー」)はなんとファジー・コントロールだったようだ。気付かなかった。改めて見返してみると、確かにそうだ。入場時、安田や丸山などはそちらに向けて頭を下げている。


 しかし何と言ってもこの番組で一番私の耳目を引いたのは丸山隆平が新しいベースを買ったという話で、これもベーシストである中村が司会であればこそ発展し得た話題である。実に有り難い。
 丸山が使用する楽器と言えばここ5年ほどは完全にフェンダー(というメーカー)のジャズベース(というモデル)がメイン(2種類を併用)であったが、おニューのベースは、なんとアーニー・ボール・ミュージック・マン(というメーカー)のスティングレイ(というモデル)だという。
 スティングレイと言えばスラップ向きの楽器として広く(というのは、世界的に)知られていて、指弾き主体の丸山としてはちょっと意外なチョイスではあったが(電池が要るアクティブ・タイプのベースを使うのも珍しい)、バンド・セッションの時にスラップをちょいちょいキメたりしているので、その折に使うのかな、などと思われた。なおこのスティングレイという楽器は錦戸亮も所有しているが、影響関係は不明。
 余談ながら、番組中で中村がこの楽器を「タヌキ顔」と表現していて、なるほど面白い表現だと思ったが、スティングレイ(stingray)は元々アカエイ(海のアレ)の意味である。随分径庭があったものだ。
 番組中ではスティングレイの画像が示されたが(そりゃまあ、大部分の視聴者は「タヌキ顔のスティングレイ」などと言っても判るわけがないもの)、これは飽くまでも参考画像で、明らかに丸山本人の楽器ではないようだったので、実際にはどのような仕様のものか、もし此の度でツアーで用いるならば是非知りたいものだ、と思った。
 さてツアーが始まってみて、色はオレンジだということがファンの方のブログなどによって判明したのであるが、このオレンジというのが、ちょっと意外だった。と言うのも、スティングレイの色としてはあまり見かけないものだからである。FleaBassにあるような割とチープなオレンジ(と言ってもベースを弾く人しかピンと来ないでしょうが)を想像して、へぇそんなのあったんだ、と思っていた。
 ところがその少し後に『オリスタ』誌にて、早速ツアーのレポートがあり、そこでは他メンバーの楽器については殆ど写真がないにも拘わらず、素晴らしいことに丸山のスティングレイはバッチリ撮ってくれているのだ。これを見ると、色は思ったよりも深くて、落ち着いた感じである。なおストラップはモスグリーンで、おそらくベース同様アーニーボールのもの(これは定番中の定番)であろう。
 一目で欲しくなった。
 しかし欲しいと言っても、上で書いたように、そうそう無いのですよ、この色は。スティングレイ自体は人気機種で、よく見かけるのだが。ネット上の楽器探しと言えばコレ、のデジマート(http://www.digimart.net/)を探してみても、この色で見つかるのは1件のみ(http://www.digimart.net/cat03/shop18/DS02147735/)、しかも売却済みだ。なおコレ、更新日が11月9日となっているが、ツアー開始2日目にあたる。流石に偶然とは思うが、丸山の勇姿をツアー初日に観たエイターが早速手を付けたんじゃないか、と思わず疑いたくなる。
 なおミュージック・マンのサイトを見ると、このモデルは名前はそのままStingRay(http://www.kandashokai.co.jp/flos/ernie_ball_music_man/electric_basses/stingray/stingray.html)で、レギュラーラインでもオレンジは有るようだ(色名はTangerine Pearl)。手近の楽器屋に置いてなくても、楽器屋を通して取り寄せてもらえば手に入りそうである。なおサイト上は285,000円とされている。楽器屋で値引きがあっても25万円くらいかな。
 欲しいなあ。アーニー・ボールのモスグリーンのストラップ(こっちは1200円くらい)とペアで買いたい。でもレフティなんか無いだろうしなあ。まあそれはナットを改造して左向きにするとしても、楽器自体、今年は既に2本も買ってるし。そもそも最近はドラムの方が熱心だし・・・でも欲しい。
 今までスティングレイなんか全然興味なかったのになあ。というか実際、音もあんまり好きじゃないと思うのだけれど、でも『オリスタ』に載っている、丸山が持っている「それ」は、とても格好良く見えるのだ。ストラップとペアで買いたくなるほどに。まあ元々が私はミーハーなのだけども。

 そう言えば夏頃、『音楽のちから』で丸山がバディ・ガイ・シャツを着ているのを見て、どうしても欲しくなり、似たのを探して買ったことがあった。寒くなったので最近は着ていないけど、買ってしばらくは気に入って着ていた。
 今まで、村上春樹がエッセイでダッフルコートについて書いているのを読んでダッフルコートを買ってみたり(中学生の頃)、庄司薫がポートレイトで黒のトックリセーター(死語)を着ているのを見てトックリに執心したり(高校生の頃)、ということがあったが、ミュージシャンの着るものを真似るのはおこがましい、と思っていた。それがまさかジャニーズ・タレントの服を真似るようになるとは。恐るべし丸山隆平、それとも私が厚かましくなっただけか。
 

(注)本記事のタイトルを見て森高千里を連想してくれると少し嬉しい。