こんなんだったっけ日記

さよなら はてなダイアリー

源氏読み

賢木(二〜九)、花散里

13日 新大系の区切りで8から14まで(十六日〜限りなし)。 桐壷院崩御。朱雀帝というのは、弘徽殿女御の息子の筈だが、どうしてどうして良い人そうである。女御の父親(初出?)はこれまたワルらしいが。ワルっていうか、貴族社会ではこれが普通だった…

葵(七・八)、賢木(一)

10日 新大系の区切りで41から46(うち見まはし給に〜あさましうおぼさる)。 源氏が若紫と夫婦関係(という言葉も、なんかなあという感じ。動物が交尾するのを「結婚する」と言うのと理屈としては同じである)を持つ。それはいいのだが(いいとしよう…

葵(三〜六)

5日 新大系の区切りで17から22まで(かかる御物思ひ〜かたはらいたうおぼさる)。 あまりに心地がすぐれないんで余所に移って修法を受けて、それを源氏が訪って・・・と、これ葵上の話だと思って読んでいたら歌の詠み交しのところでドウモオカシイゾと…

葵(二)

新大系で10から16まで(ほどほどにつけて〜おぼし寄らざりけり)。 前回読んだ範囲に既にあったのだが、物見車から着物の裾が出ているというのが、どうもよく判らない。一応、頭の中にイメージは出来ているのだが、それが結構マヌケな図なので(幕の下か…

花宴、葵(一)

2日 「花宴」通読。朧月夜の帖、という方が判り易い。 宴があると、源氏が何かしら披露して、そんで周りの人々が涙する。今回だと左大臣。「うらめしきも忘れて涙をとし給ふ」。うらめしき、ってのがね。苦労させられているのだ。 舞だけではない。「文など…

紅葉賀(三・四)

30日 新大系で15から20まで(四月に〜つらしと思へり)。 赤ちゃんが源氏に似ているというのを帝が嬉しそうに話すのを聞きながら、源氏、「面の色変はる心ちして、おそろしうも、かたじけなくも、うれしくも、あはれにも、かたがたうつろふ心ちして、…

紅葉賀(一・二)

28日 帖始めから新大系の区切りで7まで(〜かたみに尽きせず)。 青海波セイガイハという舞の名は源氏で憶えるのだけれど他に活用できない。源氏の傍らにあっては頭中将も「なを花のかたはらの深山木」だそうである。判ったから、泣くな。 ここは源氏と藤…

末摘花(三・四)

26日 新大系で12から17(二条の院に〜出で給ひぬ)。 末摘花の顔をしかと見てしまった、という場面。「何に残りなう見あらはしつらむと思ものから、目づらしきさまのしたれば、さすがにうち見やられ給ふ」って非常によく判りますね。汚い例えで恐縮だ…

若紫(五・六)、末摘花(一・二)

21日 新大系で23から27(秋の末つ方〜とのたまふ)。 源氏物語は面白いなあと思いながら読んだ。源氏が少納言と話しているところに若紫の声が聞こえてくるところ。評論家めいた書き方になるが、子供の描き方が大変鮮やかである。あーあ・・・と思って…

若紫(四)

新大系17〜22(殿にも〜過ぎゆく)。 葵君との不和、「耐えへがたうわづらひ侍しをもいかがとだに問ひ給はぬこそ、めづらしからぬ事なれど猶うらめしう」と恨み言を言う源氏に対して「問はぬはつらきものにやあらん」と返すというのは、なかなか凄まじい…

若紫(三)

新大系11から16(かうやうの〜おぼしける)。 これから幾度も出て来る筈だが、この光源氏に対する周囲の過剰な反応は一体何なのだろうか。源氏が高貴だっつうんでみんなすぐ泣いちゃうんだ。丸谷才一が、昔の日本人はよく泣いたんだと書いておられたけれ…

若紫(一・二)

17日 新大系で5まで(〜涙ぞ落つる)。 源氏が尼と女の子とを盗み見る、千年来の超有名シーンである。高校でも習ったなあ。覗いてみて「尼なりけり」と述べる「なりけり(ナノデアッタ)」というのは、「なんだ、尼かよ」という源氏の「落胆」を表してい…

夕顔(六)

新大系で31〜帖末(九月廿日〜)。 右近によると、夕顔は「(方違えに来た源氏に)見あらはせたてまつりぬることとおぼし嘆くめりし。世の人に似ずものづつみをし給」。本当かよ。じゃあ例の「心あてにそれかとぞ見る・・・」の歌は、夕顔からのものではな…

夕顔(四・五)

14日 新大系で19から24まで(よひすぐるほど〜おはしつきたり)。幽霊登場から、源氏の帰宅まで。 ここは凄い。何度読んでも感心する。エドガー・アラン・ポーばりのゴチック・ホラー。特に夕顔の遺骸を筵に包んだ時に髪がこぼれるところなんて、完璧…

夕顔(三)

新大系12〜18(君もかくうらなく〜思比べられ給ける)。生き霊が現れる直前まで。 「げにいづれか狐なるらんな。ただはかられ給へかし」。これは確かに名台詞と思います。 「さりとも鬼などもわれをば見ゆるしてん」この傲慢さ。

夕顔(二)

新大系で7から11(さてかのうつせみ〜物おもひをなむしける)。 いつも悪口書いている気がするが、実は今までになく源氏物語を「面白い」と感じているようである。まあ、これからどうなるかは判りませんけど。 六条の御息所についてはその存在以外まだ殆…

夕顔(一)

新大系で6まで(〜めづらしく思ほすなりけり)。 「にくしとこそ思たれな。されど、この扇の尋ぬべきゆへありて見ゆるを、なをこのはたりの心知れらん者を召して問へ」。貴公子なんだから仕方ないのだが、こうやって人に指図するのが当然と思っている様子に…

空蝉

一帖。 のっけから「我はかく人ににくまれてもならはぬを、こよひなむなじめてうしと世を思ひ知りぬれば、はづかしくてながらふまじうこそ思ひなりぬれ」。後には「あこはらうたけれど、つらきゆかりにこそ、え思ひはつまじけれ」とまで。こんな残酷なこと子…

箒木(五・六)

8日 新大系で22〜28(からうして〜おほかるべし)。空蝉登場。その弟も(加藤清史郎君を思い出す)。 「ねたう、心とどめても問ひ訊けかし、とおぼす。」いいですねここ。リアルだ。 ささっと手を出した相手なのに「年ごろ思ひわたる心のうちも聞こえ知…

箒木(四)

新大系で17〜21(中将なにがしは〜明かし給つ)。所謂雨夜の品定めが終ったところまで。 夕顔の話が出てくるのだが、ニラだかニンニクだかの女の人の話の方が面白い。この人も割と好きだ。たぶん声は低めだな、などと勝手に想像する。それはそうと夕顔っ…

箒木(三)

新大系で11〜16(はやうまだいと下らう〜うちわらひおはさうず)。指食いの女と浮気な女の話。 私は何を隠そう、源氏物語に出て来る数多の女の人の中で、この指食いの女が一番好きだ。私だったら幸せにしてやったのにと思うが、生まれるのが千年遅かった…

箒木(二)

新大系の区切りで6から10まで(さまざまの人の〜しのびとどめずなんありける)。 いやあ語る語る。勝手なことを。工芸や絵画の比喩まで持ち出して女を語るのだ。 それにしても「また、なのめに移ろふ方あらむ人を恨みて、気色ばみ背かむ、はたをこがまし…

箒木(一)

帖初めから新大系の区切りで5まで(〜猶あくまじくみえ給ふ)。 冒頭の、「光源氏名のみことことしう・・・」という言い方は、読者が既に源氏のことをよく知っているという想定があるように思われて、この長編が須磨あたりから書き始められてそれ以前の帖は…

桐壷(二)

新大系の区切りで10(「月は入り方の〜」)から帖末まで。 「命婦は、(帝が)まだ大殿籠もらせたまはざりけると、あはれに見たてまつる」というのは桐壷さんの里から帰ってきた靫負さんの心内であるが、とても千年前とは思えない描写で、2010年でも何の問…

桐壷(一)

「桐壷」。冒頭から新大系の句切りで9まで読んだ(「〜といそぎまゐる」迄)。まあこの辺りはもうよく知っているから割とつっかえずに読めるけれども、大方は一日に5,6頁くらいの、亀の歩みで行きたいと思っている。 さて、この帖(どうして帖と呼ぶのだ…

源氏読み前口上

源氏物語を読むことにする。読むのは三度目である。 厳密には四度目で、高校三年の頃に今泉忠義氏の現代語訳(講談社学術文庫)で読もうとしたのだが、こんなアホくさいモン読んでられるかと、須磨までも行かず確か末摘花の辺りで投げ出したのだった。源氏を…