こんなんだったっけ日記

さよなら はてなダイアリー

もう一つの名曲

 『8EST』ツアーの東京ドーム公演で「Kicyu」を演ったと聞いて非常に羨ましく思っていたのが、それに負けず劣らず羨ましかったのは丸山が「MAGIC WORD」を歌ったらしいということだ。
 この曲は初めて聴いた時は「なんじゃこの安っぽいアレンジは・・・(この「〜僕なりの…〜」という副題もなんかイヤやなあ・・・)」と閉口したのだが、聴き返す内に何だかどうにも好きになってきて、一時期(短い間ではあったが)やたら口ずさんでいたことがあった。
 東京ドームで演ったというのはひょっとしてDVDにもなるのか?と期待もされるのだが、それに関して気になるのは、ちゃんと2番をカットせずに歌ったかどうかという点である。僕は2番サビ前の「テキサァアアス!」というのがやたら好きなのだ。例の「パァアアン!」の方が汎用性が高いのはよく判るのだが(最早ギャグというよりは一種の挨拶のようになっているしな)、「テキサァアアス!」はアホ100%という感じで非常に良い。
 あと過剰に芝居がかった間奏の語りもクセになる。この部分が曲のキモと言っても過言ではあるまい。「Everybody, One, Two」云々のところでロックっぽいアレンジになるのなんかもあざといというか、芸が細かい。総じて言えばキモカッコイイ
 アレンジはチープだが(これもわざとか?)、メロディーは確かにポップで、特にAメロがそれだけで自立している感じなのが好みに合う。歌詞は他愛もないものではあるが「ちゃんと聞き取れるように言葉を当てはめる」という基本がしっかり守れているのが好印象である。あと、意外とフレーズに無駄がないように感じられる。
 他の『ズッコケ〜』ソロ曲では、大倉の「まもりたい」が、苦手なベタバラードでありながら妙に好きな曲である。Aメロ→Bメロ(サビ)というシンプルな展開も好ましいし、何といってもサビのメロディーが美しい。「抱きしめたいよ」の歌い込みが過剰な気もするが、この部分をカラオケで真似して歌うのは楽しい(私事ながら今までカラオケで一番良い点が取れたのがこの曲だった(93点)。ビブラートを入れやすいからであろう)。アレンジも、僕にとってはこれ以上に壮大だとキツイというぎりぎりのところである。
 歌詞は大倉自身によるものらしいが、なかなか良い。1番で「あの空へいつか行くよ」とあるのが2番で「あの空が遠くなるよ」となるのは、色々解釈が可能ではあろうが一つには、1番では死というものに対して一種ヒロイックな感傷を抱いていたのに対して、恋人との触れ合いを通じて2番ではその死を遠ざけたい気持ちになっている、というふうに僕には受け止められる。
 他の曲についても瞥見。
●琉我(渋谷)
 こういうアレンジの曲は割と好きだし、歌唱も文句ないのだが、何というか、タイトルといい歌詞といい、どうにも堂本剛を連想させてしょうがない(別に堂本剛が嫌いというわけではないのだが。余談ながら僕が初めて買ったジャニーズのCDはENDLICHERI☆ENDLICHERIの『The Rainbow Star』である。中古だけど)。
 その一方でちょっと「和製ブルース」の型にはまりすぎている感もあって、面白みに欠ける。僕は「words」や「Revolver」の方が良いと思う。
●わたし鏡(安田)
 Jポップとして申し分のない出来で、充分シングルになると思う。このポップ感覚はaikoに近いものがある。ただ、なんか「重い」なとも感じます。それは一つには曲の構造で、Aメロ、Bメロ、サビ、Cメロという各々のパーツが結構「でかい」ので、もうちょっとシンプルにまとめた方が良いと思えるのと、もう一つには歌詞の問題で、率直に言って、だらだら書き連ねていて表現にキレがない(無駄が多い)感じがする。各々のフレーズがスッと入って来るという点では明らかに上の「MAGIC WORD」なんかの方が優れている。内容は、大いに共感するという人もいるのだろうが、僕はちょっと。
 その一方で、文飾として面白いフレーズもあまり窺えない。まああくまで僕の感覚では、ですが。
 次作の「アイライロ」や「TOPOP」などで幾分改善が見られるはするが、少なくとも現時点では、作詞家としての能力は彼の歌手・演奏家・作曲家・編曲家(こう書き連ねてみると凄いね。しかも本業は「アイドル」なのだ)としてのそれには及んでいないと言える(その意味でも横山とは本当に名コンビでしょう)。
●WONDER BOY(横山)
 この曲を初めて聴いたのはカラオケで知人(女性)が歌っているのを聴いてであったが、ちょっと絶句しましたですね。あまりにダサすぎて。「MAGIC WORD」のアレンジもダサかったが、それに輪をかけてダサい。でも横山の歌唱で聞いてみると意外と聞けますね。頭抱えたくなることには変わりないが、聞くに堪えないことはない。
 要するに「ダサい」というのがこの曲のテーマであるのだから仕方ない。横山の声も活き活きしていることだし、まあこれはこれでいいのか。「カッコいいでしょ」というところはつい一緒に歌ってしまう。
 ところで「どっぷり日も暮れて」とあるが、「とっぷり」が正しくないか?(少なくとも日本国語大辞典は「どっぷり」に日暮れの形容の意味を載せていない)
 もひとつ余談を挟むと、『Wonder Boys』というアメリカ映画がありましたね。僕は映画というものがあんまり好きでないのだがこの作品は割としつこく何度も見ている。監督はカーティス・ハンソン、主演はマイケル・ダグラストビー・マグワイア。主題歌はボブ・ディラン(他にも作中でニール・ヤングバッファロー・スプリングフィールドだっけ?)やらジョン・レノンやら流れていた)。主人公の作家(マイケル・ダグラス)が空港でロバート・ダウニー・Jr演じる編集者と会う時に右手をくいっと上げて挨拶するのがやたら格好よく思えて、何度も繰り返して見たものだった。字幕では作中の「Wonder Boy」という台詞は「神童」と訳されていました。
 クレジットに名前がないようだが、このお姉さんは誰なんでしょうね。
●Forward(村上)
 なんかちょっと古臭いけど結構かっこいいアレンジの曲である。関ジャニ∞であんまり同類の曲はないんじゃないか。作詞はcapitaoとあって、村上のペンネームだそうだが、どういう意味なのか知らない。Jリーグにも所属したブラジルのサッカー選手に同名の人がいるらしいが、曲名から言っても、それに因むと見るのが自然か。ヴェルディ川崎でプレーしたって。ビスマルクなら知っているんだけど・・・。
 歌詞もサッカーに関係があるのだろうか、疎いのでよく判らない。あんまりハッキリとモノを語っていない歌詞であるが、僕はこういうの割と好きである。「黒を白でぬりつぶせ」というのはちょっと斬新に思えるし、「頭の片隅は誰彼かまわず独り占め」とか「また決めた13番 場所は違えど俺の番」とか「ほらこんなにできるから」とかいったフレーズも、意味はよく判らないんだが、なんか良い。
 しかし歌がなあ・・・全然ダメというんじゃないんだが、なんかこうメロディーに歌が乗り切っていない感じがするんだよなあ。
●stereo(錦戸)
 安田の「わたし鏡」がバンド・サウンドでありながらポップス調も強い(この辺りのバランスもaikoっぽい)のに対して、錦戸の「stereo」はポップでありながら基本はロックのバンド・サウンドである。好みの違いが表れているようで面白い。
 かなり言葉を詰め込んだメロディーで、これ歌うの大変でしょうね。結構乱暴に、叩き付けるように歌っている印象で、僕の好みからするともうちょっと丁寧に歌った方がいいんじゃないかと思うのだが(音数が多いのに歌い方が乱暴だと聞いていて疲れる)、まあこれは個性というか、スタイルの問題かとも思われる。
 「あれ なんでかな 全然苦じゃないや」というフレーズが好き。「あんまり似てない似顔絵」というのもいい。