こんなんだったっけ日記

さよなら はてなダイアリー

左弾きベース道中 (11)

 今年の元日に左弾きでの練習を始めて、半年が経過した。いやあもう半年も経っちまったのか。
 いい加減な練習しかしてこなかったので、指もまだあまり開かないし(それでもショートスケールのヘフナー・ベースなんで支障は少ないが)、右弾きでのレベルに追い着くにはまだまだかかりそうだが、短時間ながらも大凡毎日手に取っているお陰か、指は段々動くようになってきていて、シンプルな曲であれば少々練習すればなぞれるくらいにはなってきた。尤もテンポの速い曲は着いていけない。
 右弾きと言えば、左で弾き始めたらその分だけ右はヘタになるかと思っていたら、意外とそうでもない。これはそもそも右弾きでも全然上手くなかったということもあるが、左弾きでのトレーニングも右弾きに少しはプラスになるところがあるということなのかも知れない。
 ベースについては、前回に書いたように調整に出していたのは2週間程度で返ってきて、調整ついでにリベラのフラットワウンド弦(テープ・ワウンド)に張り替えてもらったのを弾いている。最初はラウンドワウンドよりも一層安っぽい音になったかと感じたけれども、アンプを通して高音のフレーズをピック弾きすると気持ち良いです。ビートルズで言うと「You'll Never Give Me Your Money」終盤の「1-2-3-4-5-6-7, All good children go to heaven」の辺りでのベース・ラインなんか。
 ↓ こんな風になりました。

 

 調整の結果ローフレットのビビリが殆どなくなったのは良かったものの、つい先日気付いたのだが、なんか振るとカラカラ音がする。そう言えば頻用していたフェルナンデスのナイロン・ピックを最近見かけないな・・・。
 ホロー・ボディとは言えfホールは開いていないのでピックが紛れ込むハズはないのだが(手品じゃあるまいに)、正にピックが入り込んだようなカラカラ音なのだ。元々入っているものだとしたら乾燥剤か何かと思うが・・・謎だ。
 練習は相変わらず、幾つかの曲の断片的なフレーズをコピーするというもの。最近だとサーフィス「それじゃあバイバイ」(この曲のベース格好良いよね)や、人から借りたハンバートハンバートのアルバムにあった「メッセージ」後半のベース・ソロなど。「それじゃあ〜」は八分音符が中心でそれほどトリッキーなフレーズはないものの、テンポが166となかなかに速いのでイン・テンポでは全然弾けない。選曲を誤った。「メッセージ」のソロは前半にちょっと速いところがあるのでそこをジワジワ詰めていけば何とかなりそう。あとはこういう動画を見てチマチマとチョッパーの練習(全然弾けるようにならない)。
 最近気付いたことは、「練習しないと弾けない」ということだ。当たり前である。
 例えば、シュープリームスの「恋は焦らず」イントロのような、或いは布袋寅泰の「ポイズン」でも関ジャニ∞の「ゴリゴリ」でも良いのだが、とにかくああいう極々シンプルなフレーズも、いざリズムに合わせて弾いてみようとすると程なくトチってしまう。ダウンピッキングだけでルート弾き、というのも「簡単」の代名詞のようであるが、これもやってみると意外とテンポ通りに続けては弾けない。右弾きでいくら弾けても、左弾きではまだこういったフレーズをちゃんと練習していないから、イメージが幾らあろうと指は動いてくれないのである。つくづく当たり前のことではあるが、練習していないものは弾けない。
 たまに右用のジャズベースを(右弾きで)弾いてみると、左に較べて指がスッスッ動くので、真面目に練習してこなかったとは言え、やっぱり十数年弾いていただけのことはあるんだなあ、とちょっとしみじみ。あと、ジャズベはやっぱり良い楽器だなあと感じる。なんかドシっとしていて(まあ物質としてもヘフナーより随分重いんだけど、それだけじゃなく)、安心する。ソリッド・ボディなので生音が小さいのも嬉しい。
 ジャズベの完成度に較べると、ヘフナー・ベースは何というか、はっきり言って作りがチャチである。まあ僕のはインドネシア製の3万円のニセ500-1ですから、ホンモノのドイツ製がどうかは知りませんけど。
 しかしチャチなものが高い完成度のものに常に劣るかというと、必ずしもそうとは言えないのがロックやポップスの面白いところであって、安物だろうが何だろうが「ここにしかない音」が格別の評価を得ることも間々あるのである。ポール・マッカートニーとヘフナーの組み合わせもさることながら、チャーがフェンダーのスチューデント・モデルであるムスタングによって、或いはディアフーフのグレッグ・ソーニアが子供用のドラム・キットによって、素晴らしいサウンドを創り出しているのなんかもその好例と言える。ジャック・ホワイトも、いかにも安っぽい見た目のエレキギターでスリリングなフレーズを沢山弾いている。


 閑話休題。元々ポールに憧れてベースから左弾きを始めたのであるが、4月の終わりにはエレキギターも買って(道中89参照)、こちらは始めて現在約2ヶ月ということになる。エレキは弦が細いということもあってバレー・コードはそれほど苦もなく押さえられるようになってきているが(と言ってもBはなお非常に心許ない)、コード・チェンジがなかなか大きなカベで、最初に較べれば少しずつスムーズになってきているとは言え、まだ曲を(つっかえずに)ジャカジャカ弾き語るというところには至っていない。尤も、十数年前、最初にギターを始めた頃には、「弾きながら歌う」というのが途方もなく難しく思えたものだが、左弾きだとそういう苦労をあまり感じない。右弾きの経験が左弾きにも通用する数少ない点かと思われる。
 最初はストロークもかなり覚束なかったが、これも2ヶ月の間にそれなりに慣れてきた。
 ギターの方はその十数年前に親に買って貰ったビートルズの弾き語り集にある曲を練習したり(1曲目が「Let It Be」で、イントロのC → Gでいきなりつっかかる。人差し指を使わないGは本当に難しい)、ベースと同様に曲のフレーズを断片的にコピーしている。ヤードバーズ「Jeff's Boogie」のリフ、ディープ・パープル「Strange Woman」のイントロ、チャー「闘牛士」のイントロ。いやあどれも難しいです。
 なお、レフティのギターは見た目に違和感があるということを以前に書いたけれども、流石に毎日見ているとその違和感も(完全にはと言わないまでも)かなり払拭されてきた。面白いのは、写真で見るよりも生で見た時の方が違和感は小さいということである。だからテレキャスターレフティも買ってしまえば違和感がなくなるかも。


 一日の練習時間はギターとベースで各15〜20分くらい。上手くするとベース60分、ギター30分くらい。決して長くはないが、継続は力なりということで、もう半年後にどれくらい上手くなっているか、楽しみである。