こんなんだったっけ日記

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THEカヴァ★コラTV 感想

 昨年7月の「音楽のちから」内の1コーナーを取り出して番組化したのが今回の「THEカヴァ★コラTV」であるとのことである。これが放送されるのは知っていたのだが、何故か2月か3月だと思い込んでいたところ、実は今月6日だった。ブログにコメントを頂いて慌ててインターネット上を搔き漁った次第。有り難いことに、Youkuでアップロードがあったのでそれにて視聴(http://v.youku.com/v_show/id_XNjU4MzUwNTQ4.html)。
 いや、それにしても凄いねこの番組。2時間の音楽番組で、関ジャニ∞が出ずっぱりじゃないか。伴奏だけでも相当あるよ。


 一連の関ジャニ∞参加楽曲におけるハイライトは言うまでもなく、安田・丸山・大倉がバックを務めた「ひこうき雲」。特に丸山隆平ですよ。これ本当に丸ちゃんが弾いているのか?と疑ってしまったほどに良かった。メロディックなフレーズを流麗に弾きこなしておられました。
 オリジナルの「ひこうき雲」は、歌唱は荒井由実(元々は雪村いづみに提供された曲であるが、当時は未発表)、伴奏はキャラメル・ママである。ギターは鈴木茂、ベースは細野晴臣、ドラムは林立夫、鍵盤は松任谷正隆という、正に錚々たるメンツ(そう言えば最近出た大貫妙子のトリビュート・アルバムで「松任谷由実 with キャラメル・ママ」の参加があったが、4人揃ったのだろうか)。
 ユーミンもさることながら私はキャラメル・ママの大ファンなもんで、「ひこうき雲」を演るとなればアレンジも含めて厳しめに見てしまうのだが、今回の演奏は良かったですよ、かなり。まずベースだが、歌手(高橋真麻)に合わせてキーを変えてはいたが、フレーズはオリジナルのを結構忠実に弾いていたようだ。アウトロのソロも、オリジナルであんなに弾きまくってたっけ?と思ってユーミンのを聴き直してみると、あんなに弾きまくっていた。見事なもんである。なお「ひこうき雲」録音時の細野晴臣は25,6歳。今の関ジャニ∞の誰よりも若い。
 その魅力的なベースラインを、指弾きならではの深く柔らかい音色で、スムーズに弾きこなしており、丸山隆平であるということをヌキにしても非常に聴き応えのあるベースだった。
 ドラムも、オリジナルに大凡忠実に叩いていたようだ(それにしても関ジャニ∞キャラメル・ママを聞き込んで勉強したんだと思うだけで、両者のファンとしては嬉しくなってしまう)。軽くて渇いたスネアの音がバッチリ私好みだった。
 惜しむらくは、オリジナルが鍵盤主体のアレンジなせいもあってか、イントロを除くとギターにメリハリがなかったこと。アレンジにもう一捻りか二捻り欲しかった。
 ところで、どうでもいいようなことだけれど、この演奏を「3ピース」と呼んでいたが、問題あるだろう。ステージ上には出ていなかったが、エレピがばっちり鳴っていたのだから。このエレピはカラオケではなく、ステージ脇で演奏されていたようだ。というのも、この番組では、ステージ上には出ていなくてもミュージシャンによる生演奏を原則としていたようで、これは視聴者にとってもステージ上の歌手にとっても、すごく贅沢なことだ。しかも多分、メンツも強者揃いだったと思う。「Don't wanna cry」での伴奏のグルーヴに唸った人は多いだろう。
 

 そして、もう一つの目玉になる・・・ハズだったのが、嵐「ワイルドアットハート」の、関ジャニ∞全員でのバンド演奏。演奏はさておき、いかんせん歌唱が酷すぎた。まず、冒頭の4声のシンプルなハーモニーが、あからさまに貧弱(錦戸は悪くなかったが)。なんだあれは。そしてその後のサビ斉唱も酷いもんだった。ここまでで視聴者に一気に「こいつらアカンわ」というイメージを植え付けてしまった(実際、この曲に限って言えば「アカン」かったのだが)。
 そこからの挽回もならなかった。Aメロの渋谷ソロは乗り切れてはいなかったし、それに続く横山のソロは率直に言って聞くに堪えないもので、それに続く村上もまずかった。
 私はこれでも関ジャニ∞のファンだから、「物凄くタイトなスケジュールの中でやっているんだから、まあしょうがないよな」と思えるが、本来スケジュールがどーの練習期間がこーのなんてことは、視聴者には知ったことではないのだ。
 つくづく残念。演奏の方はなかなか良くって、ここでも丸山のディープなベースが効いていたし(どうしちゃったんだ丸ちゃん!)、イントロなどのギターのフレーズも、ややぎこちなかったが充分格好良かった。バランスが悪くて大倉のドラムがあまり聞こえなかったのが実に惜しいが、きっと格好良かったはずだ。
 これは、きちんと練習し直してツアーで再演して欲しいと思う人は多いだろう。本当に、リベンジして欲しいですよ。


 バンド演奏についてもう少し書くと、荻野目洋子の伴奏などで、安田と錦戸がツイン・リードをとるシーンが幾つかあった。ギターが3人もいるんだからこうやって分散させるのは良いことだと思う。
 また、DAIGO歌唱の「天体観測」のバック(安田・錦戸・丸山・大倉)は、各々としても、アンサンブルとしても、申し分ない出来でした。いやあそれにしても、不安になるほど好調子の丸山隆平・・・。
 それに続く、つるの剛士歌唱の福山雅治「HELLO」では、丸山と錦戸がアコギとボーカルで参加。錦戸は12弦ギターを弾いていたが、初披露じゃあるまいか? 丸山のギターはギブソン(Southern Jumbo Modern Classicかな)。余談ながら、「HELLO」のAメロって何かに似ているなあと前から思っていたのだが、ジョン・レノンの「Bring on the Lucie (Freeda People)」だな。あーすっきりした。


 他、気が付いた点などは以下の通り。


・丸ちゃんは番組全体を通じて輝いていました。
・大倉の歌手としての成熟が目覚ましい。
・横山が「イエローパンジーストリート」ルックなのが気になった(〇〇ルックって死語か!?)。
・どうして丸山は井上陽水のモノマネをしていたのだろうか(割とよく似ていた)。番組全体をちゃんと観れば判るのかな。
・粗い画像で見ていたせいもあってか、妙ちくりんな髪型の安田章大がココリコの遠藤章造に見える瞬間が何度かあった。
・錦戸の「You're King of Kings」良かったなあ。表情が魅力的だった。大倉のも良かったけど、軍配は錦戸に上がる。
・錦戸のアコギに「イエロー・サブマリン」(というビートルズのアニメ映画です)柄のストラップ。欲しいなこれ。実はこの画風、全然好きではないんだけどな。ミーハーの哀しさ。
・錦戸「あと、柚子胡椒も頂いて」。いいオチだ。
・安田が目新しいアコギを弾いていたな。多分ギブソンのJ-45 Gold Top Customだと思う。そう言えば大倉も前回とは違うアコギを弾いていた(∞祭と同じもの? 未検討)。
・丸山のピックが気になる。オニギリ型なのは従来通りだが、なんか滑り止めみたいなのが付いている? 誰か特定してくれないかなコレ。

前川陽子の隠れファンとしては、相川七瀬による「魔女っ子メグちゃん」の粘着質な歌い方は許しがたいものがある。思い込みかも知れないけれど、なんか「大昔のアニソンも、私が歌ったらロックになるのよ」みたいに考えているんじゃないかと思えるのだ。オリジナルが滅茶苦茶ロックなんだよ。本当に前川陽子は凄いぜ。知らない人は一度「キューティーハニー」を聴き直してみて欲しい。熱量の高さに痺れるはずだから。
・「よっちゃん」こと野村義男(「一秒KISS」の作者です、念のため)。元たのきんトリオじゃなくって、元The Good-Byeだと誰か言ってやれよ。それはともかく、イメチェンしてましたね。あのルックスは近年のエドワード・ヴァン・ヘイレンを意識しているよな、絶対。やたらライトハンド奏法してたしな。
・それにしてもよっちゃんと安田のギターバトルにCMを挟むという趣向は、残念に思った人も多いであろうが、「ネタ」としてはなかなか笑えたので良かったと思う。ソロの内容自体は、可もなく不可もなくという感想(ま、だからCM挟まれても怒っていないわけだ)。
・渋谷は「TAXI」で面目躍如。
・ジャニーズメドレーは前回の方が良かった印象。でも最後に「好きやねん、大阪」をやってくれたのは嬉しかった。