こんなんだったっけ日記

さよなら はてなダイアリー

車のCMソング

 北島康介が出ている車のCM(スズキ・スイフト)にクイーンの「We are the Champions」が使われている。日本でクイーンの曲がテレビCMに使われるなんて全然珍しいことではないが、今の若い人(というのは大凡所謂ティーンエイジャーを想定して言うわけだが)が見て「なんだこの曲は!」と感動する機会になるということは充分考えられるわけで、CMというよく目に付くところで名曲が流されるのは文化教育的に言っても大変良いことだと思う。
 僕には「ビールと車のCMには名曲が多い」という持論があって、特に車のCMに教えられた名曲には今でも好んで聴いているものが幾つもある。車自体には疎いので会社やモデルなんかは覚えていないが、クイーンだと「Don't Stop Me Now」や「Killer Queen」が使われていた。「Bicycle Race」もあったかも。小学生の頃に見たCMで使われていたデヴィッド・ボウイの「Starman」やビリー・ジョエルの「The Stranger」なんかは高校生くらいになって「この人の曲だったか!」と幸いな再会を果たした曲である。この頃だとミシェル・ルグラン「キャラバンの到着」なんかも印象的だった。高校生か大学生の頃に見たアース・ウィンド&ファイアの「Get Away」が使われたCMもその「再会パターン」であった。
 ディープ・パープルの「Highway Star」やステッペン・ウルフの「Born To Be Wild」なんかは、ちょっとコテコテな気はするが、ストレートに格好良いので上述したような「教育的」効果は高いだろう。レニー・クラヴィッツの「Rock and Roll is Dead」が使われたCMには実に痺れた。「この曲は何だ!」とインターネットで調べたのを覚えている(ちょうど家にパソコンが来たころだった)。
 曲だけでなくて映像も併せて格好良いと効果は倍増で、先に挙げたものだと「Don't Stop Me Now」を使ったCMは、人が両手を広げて空を飛ぶ映像が曲と最高にマッチしていて、今思い出しても震えが来る。「Get Away」のCMは007風で、高級ホテルから高飛び込みをするシーンがあったような気がする。ゴージャスなイメージが曲を盛り立てていた(本来的には曲が映像を盛り立てているわけだが)。ジャニス・ジョプリンの「Summertime」を使ったCMはモノクロ仕立てで非常に格好良い映像だった記憶がある。
 日本だと、日産・マーチのCMでフリッパーズ・ギターの「恋とマシンガン」のイントロが使われているのが良かった。と言っても原曲を知ったのは結構最近。オザケンで車と言えば「カローラ2に乗って〜♪」というのが流行りましたね。20世紀の話ですが。
 他に日本のだと何があったか。電気グルーヴの「Shangri-La」って車のCMに使われてなかったっけな?(Wikipedia 先生によると日産のCMに使われていたという。日産は趣味がいいね)。あれは良かった。何年か前の、平井堅の「Strawberry Sex」という曲を使ったCMも楽しげで良かったな(この曲自体は2002年のリリースとのことだが、CMで使われたのはもっと後だったと思う)。
 あと、トータス松本マーヴィン・ゲイの「Stubborn Kind of Fellow」を歌ったやつも良かった。あれはCM自体も良かった。トータスが小学生の息子を持つ父親を演じていたが、息子と一緒になって楽しんでいて、いかにも良いオヤジという感じだった。これがどうしたわけか後年、父親役が反町隆史に変わってしまって、CMのテイストもなんか「はしゃいで楽しむ」から「ちょい悪クール」みたいなのに様変わりしており、反町氏自体に悪印象はないのだが、あれには随分がっかりさせられた。
 閑話休題。ちょっと渋い選曲では、キング・クリムゾンの「Easy Money」(オダギリジョーが出ていた)、割と最近にイエスの「Heart of the Sunrise」や、ヴァン・ヘイレンの「Ain't Talking about Love」を使ったCMもあった。
 勿論ロックだけではなくって、バッハの無伴奏チェロ組曲第1番のプレリュードをピアノで演奏したのがBGMになっているCMがあって、CDが欲しかったのだが調べても誰の演奏か判らなかった(御存知の方教えて下さい)。また、サラ・ヴォーンが歌う「Peter Gunn」のテーマ(ミックスが施されていたように思う)を使ったCMも格好良かった。
 たまに、良いなと思って調べてみると純粋にCM用の曲でCDになっていなかったりして勿体ないなーと思うことがある。ホンダ・フリードに使われたショーン・レノンの「Free」なんかは正にその例。 
 ビートルズは意外と覚えがない。いま思い出せるのはユッスー・ン・ドゥールのバージョンの「Ob-La-Di, Ob-La-Da」くらい。あれも悪くなかった。