椎名慶治 LIVE #3 Strip? or Stripper? -Type S-
4月17日の赤坂BLITZ公演に行ってきました。いやー、最高でした。今までに見たサーフィス/椎名のライブの中で一番良かったかも知れない。
そもそも正月に出た新作『S』が思いの外に(というと期待していなかったみたいだが)素晴らしかったもんで、普段は「ライブよりCD派」の僕もこのライブには期待を掛けていたわけだが、一曲目の「僕等の中」でもう、泣かされた。これは本当に良い曲だ。欲を言えばサビの(1番で言うと)「迷ってしまうんだろう」の後に来る伴奏のキメがもっと目立つようにしてもらいたかったが、こちらの立ち位置の問題かも。DVDが出るようなのでそちらに期待したい。
立ち位置と言えば、今回のライブではチケットの整理券番号がなんと10番台。ローソンで受け取った時は我が目を疑いました。おそらくこんなに早い番号を取るのは最初で最後であろう。それでド真ん中3列目くらいに陣取れた。椎名からは3,4メートルほどの距離か。近いと音の聞こえ方も違って、やっぱり良いもんです。いわゆるロックバンドではないので(観客も女性がメインだし)モッシュや押し合いへし合いがあるわけでもなく、思いの外快適に観られた。
2曲目がアルバム通り「いざ尋常に」で、その次がなんとなんとの「Re:START」。これ確か「LAST ATTRACTION」では演らなかったよな。リリース時はあんまりピンと来なかったが時を経て大好きになった曲である。これにも泣かされた。
『S』を引っ提げてのツアーということでアルバム曲は大体演るのだろうと思っていたら、15周年を(本人曰く)「大義名分」として、サーフィスの曲をかなり沢山演った。普段なら「折角いいアルバムを作ったんだからサーフィスなんか演ってないでアルバムから演れ」と愚痴るところだが、今回は今までになく(今までもなんだかんだで良かったけど、今まで以上に)出来が良かった。上の「Re:START」に加え、本編では「FLY HIGH」、「でてくるなよ」、「きっと」、「ハニカムハニ」、「ボクハミタサレル」、「.5(HALF)」、「そっちじゃない」、アンコールでは「情熱マイソウル」と「なにしてんの」を演った(他にもあったかも)。大方の曲はかなりロック寄りのアレンジが加えられていて、ついでにキーも幾つか落としてあった。イントロでは何の曲か判らないものの方が多く、楽しかった。どの曲だったかで磯貝サイモンがスティービー・ワンダー「迷信」風のリフをキーボードで弾いていたのだが、どの曲だったか。
比較的後期の曲を多く演った印象で、特に「きっと」が今になって聴けるとは思わなかったので非常に嬉しかった。演奏自体も非常に良かった。
「でてくるなよ」は暮れのライブでもあったジャングル・ビートのアレンジ。この前の「FLY HIGH」もロカビリーちっくなアレンジで、この2曲では友森昭一はグレッチを弾いていた。格好良かったなあ。サーフィス/椎名のライブでフルアコのエレキギターを観るのは初めてじゃないか。友森氏は流石ベテランだけあって「見せ方」を知っているというか、やっぱり格好良いです。音も色っぽいし。機材ついでに書くと、山口寛雄はお馴染みの赤いジャズベではなく、最初なんとサンダーバードを弾いていて、その後はLAKLANDの白いジャズベ(コントロールがフェンダー初期のスタックノブ仕様の型。格好良い。調べてみるとジョー・オズボーンのモデルかな)と黒いプレベを使っていました。でも正直言って、聴いていても悲しいかな音の違いが判らないんだよな。スタジオとかで聴かせてもらえれば判るのかもしれんが。どうでもいいけどLAKLANDってESP系列なんですか。
「ボクハミタサレル」、「ハニカムハニ」、「情熱マイソウル」も良かったなあ。勿論「なにしてんの」も良かった。ソロになってからのライブでは初めて聴いた。
ソロになってからの曲ではあるが、アンコールで村原康介(この人感じよいですね。なんとROLLYのサポートキーボーディストらしい。関係ないけどドクター田中って今何してるのかな)のピアノ1本で「ヤワじゃないだろう」を歌ってくれたのも嬉しかった。多分ライブで聴くのは初めて。ソロになってからのバラード曲で一番好きな曲である。Aメロ後半が良いよなあ。
そんなワケでアルバムからの曲を殆ど演らなかった印象があるのだが、振り返ってみると結構演ってた。アルバム以前の既出曲を除くと、演らなかったのは「これからも」、「lo0p」、「駆け出しのヒーロー」くらい。「これからも」と「loOp」は暮れのライブで聴いているしな。「駆け出しのヒーロー」は本人が好きそうなので演らなかったのは意外。
去年のブリッツ公演で出たT2Dシステムというやつ、結局ダウンロードしたものの2,3回しか聴かなかったので今回はいいやと思っていたが、結局また買ってしまった。あとリミックス・アルバムなんてモノも知らぬ間に出ていたのでこれも購入。実は今までリミックスものというのは、椎名はCDの特典として何度か出していて、僕も全てではないが何曲か聴いたが、実はどれもあんまりパッとしない出来映えであった。でも音源はやっぱ買ってしまう。カラオケ集というのもあって(本当はもっと格好良い名前の筈)、これも楽器をやる人間としては気になるのだが、こちらはパス。高いし。
今年は椎名はまだまだ色々やってくれるそうなので、楽しみである。