こんなんだったっけ日記

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『関ジャニズム』現時点での感想

 発売日前日の今月4日に、渋谷タワレコにて『関ジャニズム』入手。折角ジャケットを事前に知らないようにしていたのに、JR渋谷駅にドでかい広告が出ていたもんで、それまでの気苦労(ってほどでもないけども)が水の泡に。
 そんなことはどうでもよいのだ。本作に関しては、先行シングルの出来映えから言って個人的にはあまり期待できない、ということをこちらに書いた。アルバム曲については、「おっ、これはいいな!」と思える曲が2曲(あわよくば3曲)、それ以外は「別に悪くないんだけど、明らかに何か足らんなあ」というものが大方、そして「これは嫌やなあ」という曲が1曲(または2曲)、といったところか・・・というのが具体的な予想であった。
 そして現在の感想は、「ほぼ予想通りになった(なってしもうた)」である。


 「おっ、これはいいな!」と思った曲は「象」、次いで「ドヤ顔人生」。以上。
 特に「象」は非常に良い。「ながら」で聴いていてもハッとさせられる曲であった。あと「ドヤ顔人生」はイントロから気分が高まるし、エンディングの渋谷のハープは異常なまでに音が良いのでもっと聴かせて欲しかった。
 しかしながら、気に入った曲数がこれだけでは3千数百円払っての成果としてはいかにも物寂しい。
 ちょっと、全体的に「対象年齢を下げたのかな?」という印象もある。
 勿論、他にも気に入った箇所はある。例えば「三十路少年」のエンディングの大倉の台詞は、単に笑えるだけでなく「完璧な関西弁」という感じで(まあ当たり前なのだが)嬉しくなってしまうし、他は・・・今はちょっと思いつかないが、何かあった気がする。「FUN FUN FUN(以下略)」がレッチリの「Give It Away」をパクっているのは、面白いと言えば面白いのだが、どちらかと言うと「なんか気まずい」という印象の方が強いな。
 メンバー作の曲「ゆ」と「おえかき」。「ゆ」は日々感謝ソングではなかったことには感謝したいが、詞も曲も凡庸。いや、完成度はめちゃくちゃ高いですよ。なんでシングル・カットしないのかな、と思うくらいに。でも、こんな曲世の中に幾らでもあるもんな。
 「おえかき」の方は、チャレンジングである点は評価したいのだが、偉そうなことを言うようですが、着想ありきでそこからの飛躍が感じられない。「そういうアイディアだったら、当然こういう曲になりますよね」という域から抜け出ていないのが残念。


 ついでに書いてしまうが、印象を更に下げているのはおまけディスクである。私の好みからすると、今回のソロ/ユニット曲は酷い。『FIGHT』ばりに酷い。とにかく「『愛 Love You』」で「キング〜!」というコールをやらないで済む、というだけで、今回のツアーのチケットを入手しなくて良かったとしみじみ思ってしまう(こんなの作るくらいなら十祭でやった「A・RA・SHI」のカバーを収めれば良かったのに。あれは面白かった)。
 その他にも、「アイスクリーム」と「道」は私の嗜好に訴えかけるには明らかにフックを欠いているし、「アダムとイヴ」は「torn」の劣化版にしか聞こえない。
 あとジャケットは、限定盤のはなかなか良いと思うけど、通常盤のはダサいな。まあこれは前作のジャケットが異例なほど良かったんであって、これまで関ジャニ∞のアルバム・ジャケットはあまり良いものがなかった。


 私が愛読しているブログで、「彼ら自身は本当にこのアルバムを気に入っているのだろうか」(大意)ということを書かれていて、深く肯いてしまった。別に聴いていて不愉快ということは全然ないし、何度も聴いている内に「これはまあこれでいいか」という気分にもなってくるのだが・・・後半の「ER2」から「RAGE」までの流れはなかなか良いかもな。
 やっぱり個人的には、先行シングル曲の中で留保なく「好き!」と言える曲があまりに少ないことと、アルバム前半に配された新曲がどれも今一つピンと来ない、という点が、現時点での本作の評価を決定的に下げてしまっている(あと、おまけディスク)。今後評価が変わったらまた何か書きたいと思います。なお通常盤しか買っていないので映像は全く未チェック。


 それから、これは悪口というより純粋な疑問なのですが、なんか音が悪くなっていませんか? 関ジャニ∞の近年のCDって「HR CUTTING」(要するに高音質加工と言うことだろう)という表示が入っていて、『JUKE BOX』もこのHRカッティングだったんだけれど、本作にはその表示がないようだ。「FUN FUN FUN(以下略)」とか「三十路少年」とか聴いているとなんかパンチとクリアさに欠くような気がちょっとするんだけど、カッティングのせいなのか只の気のせいか。


 最後に余談ながら、CDの箱裏面の曲目リストがシールになっていて、「あちゃー誤植があったんだなあ」と気にはなったものの、上手く剥がせないことを怖れて放っておいたのだが、ツイッターを見ると結構剥がした人がいるみたいですね。その実践的態度には頭が下がる。有り難いことだ。「ドヤ顔人生!」と、不要の感嘆符を付けてしまったのを訂正しているそうである。
 

関ジャニズム (通常盤)

関ジャニズム (通常盤)