こんなんだったっけ日記

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『ジャム』感想(総論篇)

「これをやっとかないと年が越せない」というような物事は誰にしもあろうが、今年の私にとってはそれは「関ジャニ∞の新譜の感想を書き終える」ということだった。
前にも書いたように、このアルバムを聴き始めた時の感想は「予想よりずっと良い」だった。しかし、関ジャニ∞はこれまでも良いアルバムを幾つも出してきたわけで、それらの中で本作はどう位置付けられるか・・・?ということが気になってきた。
まず、認識を整理するために、本作を除くこれまでのアルバムを、自分の中での評価をもとにランク付けしてみた。結果は次の通りである。


1位:8UPPERS(2010年)
→文句なしの1位。彼らのアルバムの中ではむしろ異色の一枚ではあるが、各曲のレベルが異様なほどに高く、ほぼ完璧の出来映えである。ポップスとして上質でありながら「ジャニーズだからこそ出せた味わい」も感じさせるところが素晴らしい。しかもソロ曲集までキャリア1のハイレベルだった。
2位:JUKE BOX(2013年)
→現在に至る「関ジャニ∞らしさ」を重視するならばこれを1位にしてもいいかとも思う。「クラゲ」「Dear Summer様!!」「北風ブルース」等々、中盤の充実も素晴らしいが、やはり「Your WURLIZER」の意義はいくら評価してもし足りない。
3位:PUZZLE(2009年)
4位:関ジャニ∞の元気が出るCD!!(2015年)
5位:ズッコケ大脱走(2007年)
→この3作は順位が付けにくい。個人的には『ズッコケ大脱走』の路線には思い入れがあり、シングル曲はどれも素晴らしいと思うが(「関風ファイティング」は関ジャニ∞のシングル曲で最も好きなものの一つだ)、アルバムとしてはやや冗長さもある。同じく『PUZZLE』もアルバムとしてはシェイプアップの余地があったのではと思うが、「ブリュレ」を筆頭に名曲が沢山入っているので捨てがたい。アルバム曲ではないがこの時期には「Kicyu」「desire」などの傑作もあり、注意される時期である。一方、アルバムとしてのトータリティを思うと『元気が出るCD!!』に軍配が上がる。「勝手に仕上がれ」と「振り向くわけにはいかないぜ」が実質的な首尾に置かれていることは本作を大いに印象深いものにしている。
6位:F・T・O(2006年)
→明らかに試行錯誤の途上にある作品ではあるが、それだからこその魅力もある。「大阪レイニーブルース」「好きやねん、大阪」など、色モノと言われがちな作品にある「個性」の大切さは今もっと見直されてしかるべきだ。あと「Carnival」が大好きなのだ私は。
7位:FIGHT(2011年)
→実は良い曲が幾つも入っているのだが、全体としてはややくどいというか、聞き疲れする印象。まあでも以前よりは自分の中で評価が高まっているので、もう少し順位を上げても良いかな。
8位:関ジャニズム(2014年)
→文句なしの最下位。いま聴き直してみると、冒頭3曲がずーっと魅力に乏しいのが致命的だったなあと思う。「オモイダマ」が入っているのも私の中では評価を著しく下げる要因になっている。「象」を筆頭に良い曲も数曲は入っているので、勿体ないなあ。


さて。問題の『ジャム』は上のランキングの中のどこに入るか?というと・・・うーん・・・精々6位くらいかなあ。
改めて見直してみると、関ジャニ∞のアルバムには良いものが多いのだった(まあ、だからこそファンをやってるわけだが)。それらと比較しての本作の評価は、「全体的に決して悪くはないが、ガツンと来る曲に乏しい」ということになってしまう。トバしたくなるほど嫌な曲というのは無いのだが(「パノラマ」はやや危ういけど)、80点未満くらいの曲が目立ち、90点台に食い込む曲が少なすぎる。
もうちょっと言うと、1曲目の「罪と夏」は、私の中では95点以上あるのだ。これは関ジャニ∞のこれまでのシングル曲の中でもトップレベルに来る曲と言って良い。そして、2曲目の「今」も90点台に入っている。この調子で続いてくれたら、1位は無理にしても歴代2、3位は充分狙える作品になったはずなのだが・・・残念ながら後が続かなかった、という感想である。


なお、これは本作の「本編」を12曲目「青春のすべて」までと見なしてのことである。通常盤にはこの後に(これまでならオマケCDに収録されていた類の)3曲が収められている。全てメンバー自作曲だが、これが素晴らしい。正直、『FIGHT』くらいからはソロ曲の質が落ちていると感じていたので、これは非常に嬉しい驚きであった。


さて、次の記事では各曲についてコメントを付けていきたい。年内に済めば良いのだが・・・。