こんなんだったっけ日記

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忌野清志郎のジャンプ

 実家で、何年も前に録画してあったビデオを見直していて、久々にNHK『SONGS』の忌野清志郎の回(元々2008年に放送されたものを、没後に完全版として再放送したもの)を見直した。それでハッと気付いたことがある。
 彼の晩年の代表曲の一つに「JUMP」という曲があって、僕も好きな曲なのだけれど、この番組でも本編ラストの曲として演奏している。

 それで、この曲のサビ(と言っていいのか)にこんなフレーズがあるのだ。
  Jump! 空が落ちてくるその前に
  Jump! もう一度高くジャンプするよ
 この曲は2004年に発表されたもので、彼が喉頭癌との闘病生活に入る前に作られたものである。上の『SONGS』は、それを克服しての「復活」ライブだったのである(その直後に武道館でも公演を行っている)。
 残念ながらそのすぐ後に癌の再発が見つかり、翌2009年5月に逝去するのだが、この『SONGS』でのパワフルな演奏や、その後の武道館公演(これは後にソフト化)は、紛う方なく「空が落ちてくる前にもう一度高くジャンプする」だったわけだ。
 こんなことってあるんだ、人間って凄いな、と素直に感動した。やっぱり格好良いです、清志郎


 ・・・と言っておきながらナンなんだけど、実は忌野清志郎の作品を多くは聴いていない。好きな曲は幾つもあって、RCサクセションにせよソロにせよアルバムを何度も手にとって聴いているのだが、あまりピンと来ないことが多いのだ。やっぱり映像で観た方がシックリくるのかしらん。
 アルバム単位で例外的に愛聴しているのはタイマーズの『ザ・タイマーズ』。これはいいアルバムだ。
 本作収録曲で一番有名なのはモンキーズ「Daydream Believer」の名カバーだろう。

 清志郎のカバーというと「Love Me Tender」や「Summertime Blues」など、反原発などを歌った社会的なものというイメージがあるが、この曲はストレートなポップスである(余談ながらビートルズの「Good night」も日本語詞でカバーしているという話だが、どんなのなんだろう)。
 他にも「偉人のうた」(いい歌詞だ!)や「土木作業員ブルース」など好きな曲が多い。ヤダナーヤダナーの「カプリオーレ」は自分のテーマソングにしたいくらいだ(しょっちゅう口ずさんでます)。「LONG TIME AGO」は一度聴いたら忘れられない。「ギーンギーン」のイントロもいつ聴いても凄まじい。
 アンディ・ウォーホルを模したようなジャケットも格好良い。 


 RCだと「トランジスタ・ラジオ」が好きだ。リズムが単調な感じがして苦手ではあるのだが、これも歌詞がいい。

 LOVE JETS名義での「宇宙大シャッフル」は、アニメ『ちびまる子ちゃん』のエンディング・テーマだった曲で、子供の頃にお茶の間で聴いていたが、大人になって聴き返して「こんなすげえ曲だったのか!」とびっくりした。作詞はさくらももこ。 

 凄いよね。アルバムが一枚出ているので、いつか買おうと思ってまだ買っていない。いつか買おう。
 最近たまたま知ったラフィータフィーの「お元気ですかマーコさん?」(タイトルもいいなあ)も格好良い曲だ。

 鈴木茂細野晴臣林立夫のトリオTin Panのアルバムにゲスト参加した「Hand Clappin' Rhumba 2000」(オリジナルは大瀧詠一で、名盤『ナイアガラ・ムーン』に収録)も良い。これも今聴くと「Baby Baby もう俺は二度とは帰ってこないぜ」という歌詞が胸に響きます。
 彼の没後に何の気なしにTin Panのアルバムを大学で聴いていて(授業中じゃないですよ)、この曲が流れてきて「あ、清志郎だ…」と思っていたらこの歌詞が飛び込んできてハッとさせられた思い出がある。

 僕が知っている清志郎の曲で一番好きなのは、細野晴臣坂本冬美と組んだHISでの「日本の人」。元々あった細野さんの「中国の人」というインストに清志郎が詞を付けたものだが、これは本当に、いつ聴いてもほろっとくる。

 こんないい歌、そうそうあるもんじゃないよ。じっくり聴いて下さい。