私選・2013年ベストアルバム(旧譜編)
1位:かまやつひろし『ムッシュー かまやつひろしの世界』
確か、サリーのベースにハマってGSに関心が広がった時に、たまたまYouTubeで本作収録の「ノー・ノー・ボーイ」を聴いて大いに感動して、急いでアルバムを手に入れたのだった。おそらくこれからずっと聞き続ける1枚と思う。
ポールの『McCartney』に先行するというワンマン・レコーディング作品で、ムッシュ自身によるベースやドラムのサウンドは僕にとってはひとつの理想である。「ソー・ロング・サチオ」みたいなベースの音が出したいよ。
B面最後から2曲目の「豚ごろしの歌」が現行CDではカットされている(その前に「CD選書」シリーズ(懐かしいですね)で出たCDには収録)。その代わりというわけでもなかろうがボーナス曲が沢山入っていて、その中の「なればいい」や「愛しておくれ(スペンサー・デイヴィス・グループのカヴァー)」にも驚かされた。
- アーティスト: かまやつひろし,川喜多和子,岩本梶子,J.L.Hooker,オリベゆり,S.Winwood,福沢エミ,山上路夫,加橋かつみ,石坂浩二,田辺昭知
- 出版社/メーカー: テイチクエンタテインメント
- 発売日: 2000/04/21
- メディア: CD
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
2位:『オフ・オフ・マザー・グース』
これが2013年に一番よく聴いたCDかも知れない。何を聴いていいか判らない時にはこれかジョージ・ハリソンの『Early Takes Vol.1』をよく選んだ。
元々は忌野清志郎が参加しているということを直接の契機にして手に取ったアルバムだが、とにかく歌詞(和田誠訳)の洒脱さと楽曲(櫻井順)のキャッチーさ、それが何十曲と続くのだから驚かされる。ここで本作の曲から私選ベストテンを挙げようと思ったのだが、好きな曲が多すぎて選べなかった。とにかく、この記事を読んだ全ての人に、アマゾンで10曲ほど視聴してみてもらいたい(1曲1分以下の曲が大半なので、視聴とは言え1曲丸々聞けてしまう)。
勿論、各々の歌手の貢献も非常に大きい。人選はどうやったのか。所々和田誠ファンならなるほどと思えるチョイスもあるが。しかし中井貴一がこんなに歌が上手いとは知らなかったよ。
これも、この先ずっと聞き続ける1枚だろう。同率1位でもいい。
3位:ザ・ヴェンチャーズ『コンプリート・ライヴ・イン・ジャパン'65(Live in Japan '65: Complete)』
2013年には、GSと共にヴェンチャーズとの出会いもあった。
元々5年ほど前にYouTubeで「Wipe Out」のライブ映像を観て、そのドラミングの鮮やかさに驚かされたのだったが、CDを手に取るには到らなかった。それが昨年、これまた偶々YouTubeで見かけた「Driving Guitars」のベース・コピー動画にビックリして、その動画でのコピーの元音源であるこのライブ盤を聴いてみたという次第。凄いっすよ、これは。「ベンチャーズ? ああ、テケテケ(笑)」みたいな、このグループを軽く見る傾向は全く以て言語道断と判る。
- アーティスト: Ventures
- 出版社/メーカー: Capitol
- 発売日: 1995/05/30
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
4位:ザ・ビートルズ『ザ・ビートルズ・スーパー・ライヴ!(At the Hollywood Bowl)』
2013年に一番興奮させられた1枚。こういうアルバム(本作の詳細についてはウィキペディア先生などを御参照あれ)があること自体は以前から知っていたが、CD化されていないこともあって軽視していたのであろうか、ちゃんと聴いてみようと思ったことがなかった。それがどうして今になって聴いてみることになったのか、記憶にないが、とにかくこれもYouTubeでまずは聴いたのである(本当に有り難いとしか言いようがない)。
昨年は『Live at the BBC』の続編がリリースされたこと(そしてその後に著作権の関係で1963年のアウトテイクがiTunesで大量放出されたこと)が話題になったが、正直に言ってBBCのライブ音源は、ともすると「ビートルズってライブでは覇気が無かったんだな」という印象を与えかねない代物だと思う(ファンでない一般リスナーには)。その点、本作『スーパー・ライヴ!』は、音質では劣るものの(と言っても充分観賞に堪えるものだと僕は思う)、ライブ演奏のエネルギーが最高の選曲と共に楽しめる、素晴らしい1枚である。ビートルズのライブ音源と言えばまずはコレ!という作品であるはずなのに、未CD化ということが決定的な足枷となっている。あまりにも惜しい。
Live at Hollywood Bowl [Analog]
- アーティスト: Beatles
- 出版社/メーカー: Capitol
- 発売日: 1990/10/17
- メディア: LP Record
- クリック: 16回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
5位:ジャンゴ・ラインハルト『Djangology』
これもどうして聴こうと思い立ったのか覚えていないが、「ジャンゴ凄い!」と思った直接のきっかけがYouTubeであることは間違いない。ホントに上手いです。曲も聴きやすいので、ジャズ入門としても良いかも。1930年代の録音だからハイファイなワケがないが、そんなことは気にならない。
- アーティスト: ジャンゴ・ラインハルト,カルロ・ペコリ,ステファン・グラッペリ,ジャンノ・サフレ,オーレリオ・デ・カロリス
- 出版社/メーカー: BMGビクター
- 発売日: 1994/11/23
- メディア: CD
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
他、ザ・タイガース『Single Collection』で岸部修三のベースに出会ったのも2013年の重大事だったし、憂歌団『"生聞"59分』、ジャンゴと並ぶ録音最初期のギタリスト、チャーリー・クリスチャンの『The Genius of the Electric Guitar』なども印象深い。
新譜編で『サザエさん音楽大全』を挙げたが、それ以外のアニメ・特撮の楽曲の中にも魅力を再発見したものが幾つもあった。特に「まんが日本昔ばなし」のベースとドラムには本当に度肝を抜かれたし(こんなに心打たれるスネアの音はそうそうない)、「とんちんかんちん一休さん」のベースも実にグルーヴィーだ。
最高じゃないですか? どちらも純和風のアニメであるのが面白い。『一休さん』だとエンディングの「ははうえさま」も、実に美しい曲だ。「お元気ですか」でDからC6に移るところにハッとさせられる。