こんなんだったっけ日記

さよなら はてなダイアリー

『JUKE BOX』ツアーDVD感想(各論篇3)

【ビースト!!】
 冒頭に、村上・丸山・錦戸の三人が新人サラリーマンに扮した寸劇が流れる。新しい企画を持ち込むのだが頭の固い上司に一蹴されるというオープニング。新人は食い下がって色々言うのだが、その中に「部長言うてましたやんか」というセリフがある(丸山)。上司に向かって「言うてましたやんか」って・・・。この新人社員が口先だけいっちょ前の青二才であることを象徴的に表わしている。
 そんなことはどうでもいいのであるが、この曲は、私の聞きなしによれば、本作で唯一のアテブリ曲。でも演奏は生、という不思議な構成である。ベースギターの音が気持ち良い。褌姿になるところでフレーズが追加されているのも見逃せない。
 アテブリであることを補うべく、というわけでもあるまいが、三人を映した映像は鮮やかである。特に錦戸、男前やな〜。こういう新人がいたら苛めたくなる上司の気持ちも判らんじゃない。
 それにしても何度聴いてもイライラするなあ「店長ぉ〜」・・・。実はその前の「いらっしゃいませぇ」も相当甘ったるいことに気付いた次第。あー腹立つ。
 絶叫を浴びた褌。ズボンをババッと剥ぐのだけれど、どういう作りになっているのだろう。なおこの「千穐楽」褌は渋谷のタワレコに展示されていました(ヨシャオの衣装も)。
 

【狩(仮)】
 こちらもオープニングに映像あり。でも内容が歌詞と合っていないんじゃないか。
 オープニングのコーラスが生歌だったらこちらに一票入れようと思っていたのだが、残念ながらアテブリ。但しその後の歌唱は結構生歌の部分が多かったようだ(伴奏はカラオケ)。Aメロの一人一行の歌唱がちゃんと生歌で聴けたのは嬉しい。横山のホラ貝は勿論アテブリだが、表情がナイスなので笑って許せる。
 しかしこれじゃあ勝てんよなあ。


【あなたへ】
 冒頭に美しい弦楽のフレーズ(結構長い)が追加されている。しかし、この曲に対する「古臭い」という評価は揺るぎない。80年代。なんかここだけ「NHK歌謡コンサート」の映像みたいなんだよ。衣装もちょっとそれソレ風だしな。
 しかし、ゆったりした曲なので各人の歌唱が堪能できるのは良い点だ。ちょっと発見だったのは、丸山の「ながいあの坂 落ち葉が舞う」、CDで「ながい」のガは鼻濁音なのに「落ち葉が」のガは鼻濁音になっていないのは、要するに前者の鼻濁音が偶然的なものだったのだろうと思っていたら、本作でも同様にして歌っていること。彼なりの規範意識があったのだ。個人的には両方鼻濁音でいいのではと思うのだが。
 歌唱で言えば、1番サビでは2声のコーラス(上が丸山、下が錦戸・村上)、2番Bメロでは3声(上が安田、中が横山、下が大倉)が聴けるのも要注意。渋谷のソロがカットされているのは残念。
 

【へそ曲がり】
 本作のハイライトの一つ。最高に格好良いイントロ、もちろん生演奏。冒頭の、渋谷のソロに安田が絡み、そこに錦戸と大倉がハモリで入ってくるくだりは、音楽に意識的なグループならではの快感が味わえる。こんなの観られるならチケット応募しておけば良かった! PVとは異なるダンス・バージョンが観られるのも嬉しい。
 2パターンのCメロがある曲なのに、カットのせいで2つ目のCメロしか聴けないのが非常に残念。しかしその2つ目の(つまりこのテイクでは1つ目の)Cメロ、最初の、丸山がソロで歌うところ(「恥晒す生き方〜」)も良い出来だが、追って安田がサッと振り返りハモリに参戦するところが実にクールだ。そして「自分流でいっちまえよ」の後に、丸山がビッと手を差し出すポーズが本当にカッコイイ! ここは何度見てもシビれる。
 丸山は、冒頭サビ最後の「欲望をしのばせて」でのショットも異様にエロチックで、素晴らしい。
 

【ズッコケ男道】
 前曲の「へそ曲がり」を観ながら、今の関ジャニ∞のライブに「ズッコケ男道」は要らないな、と思ったのだが、実際にこの曲が始まるとやはり高揚する。よく出来た曲だ。これも生演奏で聴けて大変嬉しい曲。ドラムが暴れまくってます。
 完全に「ファン・サービス・タイムの曲」になってしまっているが、私としてはこの曲を真剣に歌う回があっても良いと思う。良い曲だから。
 どうでもいいけどの本作の渋谷の容貌って最近のジャック・ホワイトみたいですね。


無責任ヒーロー
 くどくてすみませんが、生演奏、超気持ち良い。一度歌を忘れて演奏に聴き入ってみてもらいたい。特にこの曲はベースをコピーしたという個人的経験があるもんで、とりわけ注意が伴奏に行ってしまう。
 私がこの曲を初めて観た(聴いた)のは『COUNTDOWN LIVE 2009-2010』のDVDですが、あの映像から早4年、やはり成長を感じる。
 それにしても前曲と本曲における横山のアオリには注目すべきものがある。特に本曲の大サビ前の間奏における働きは素晴らしい。