こんなんだったっけ日記

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錦戸亮のこと

 去年4月、渋谷すばる関ジャニ∞を脱退するというニュースを聞いた時には「ええっ!?」という驚きの感情が大きかったのだけれど、今月初めの錦戸亮脱退の一報には驚きよりもむしろ「マジで来たか・・・」という、より重苦しい気持ちが大きかった。これは、まあ事前にかなり噂が出ていたという点が大きいにせよ、それだけでなく、「関ジャニ∞どうなっちゃうんだ・・・」という気持ちがかなり働いていたものと思う。


 正直に言うと、錦戸が脱退すると聞いて、暫くは「無責任じゃないか」というふうに思っていた。明らかに歌唱の中核にあった渋谷が抜けて「関ジャニ∞大丈夫か?」と思われている中で、それを払拭していかなくてはならない、その新たな中核が錦戸であることもまた明らかだった。それを、たった1年で自分も抜けるというのは・・・という気持ちである。
 しかし冷静に考えてみれば、渋谷の脱退が許されて錦戸の脱退が許されない理由はない。グループを辞めたい理由が何なのか、無論 私には知る由もないが、三十代半ばの大人にとって、アイドル歌手グループを抜けて新たなキャリアを築いていきたいと考えるのは極めて自然なことと言って良いと思うし、尊重されるべきと思う。


 それはそうとしても、やはり残念であるには違いない。私が関ジャニ∞について考えるのは専ら音楽活動のことだが、錦戸亮関ジャニ∞のシンガーでありプレイヤーであるだけでなく、ソングライターでもあった。率直に言えば作曲能力という点では安田章大に軍配が上がると考えていたのだが、直近のアルバム『ジャム』(2017年・・・まだ2年前か)に収められた彼の自作曲「Traffic」は実に格好良く刺激的で、歌詞もウィットに富んでいて、今後への期待を持たせるものだった。この要素がグループから消えてしまうのは実に惜しい。

 錦戸亮は今後、音楽を続けていくのだろうか。渋谷の場合は、グループを抜けた後も音楽活動を続けるに違いないと思っていたが、錦戸の場合はその点がよく掴めない。渋谷に劣らず音楽を愛していることは確かだが、表だった音楽活動をソロで行っていくかというと、よく分からない。音楽は個人的に楽しむ、という方向にシフトしてもおかしくない気がする。
 そう言えば、渋谷のソロアルバムが出る。最初の先行曲「ワレワレハニンゲンダ」のショートバージョンを聴いた時には、影響元(ヒロトマーシー)があからさま過ぎてちょっとどうかなーと思ったのだが、そのあと同曲のもう少し長いバージョンや、次の先行曲「アナグラ生活」(これもクロマニヨンズっぽい題名ではある)を聴くに至って、「お、結構いいかも」と思うようになった。さっき、新たな先行曲「ぼくのうた」もYouTubeで聴いたが、これもガツンと来た(これに低評価を付ける視聴者の気持ちが、ちょっと私には分からない)。
 彼がソロ活動でオーガニックなサウンドに向かうことは予想ができていたが、予想以上のガッツリなロック・サウンドで、気持ち良いアルバムになるんじゃないかと思う。偶然だとは思うが、アルバムの発売日はジョン・レノンの誕生日だ。

 

 さて話を戻すと、何と言っても気がかりなのは関ジャニ∞の今後だ。音楽活動はしばらく休止、となっても何ら不思議でない状況のはずなのだが、なんと11月から47都道府県をめぐるツアー(皮切りは大阪松竹座!)を行うのだという。むしろ動いていないと不安にさいなまれるのか・・・というのは考えすぎかも知れないが。そもそも、TOKIOが現在も音楽活動を再開できていないことを思うと、こうやって活動を途絶えさせないでいられること自体が、メンバーにとってもファンにとっても極めて幸福なことと思わされる。
 音楽的には、安田・大倉・丸山が主体になるのは間違いない。問題は村上・横山の立ち位置だろう。近年のステージを見ていないので、今どういう感じになっているのか知らないままに書くのはナンだが、この2人の音楽上の貢献度を上げないと今後はキツいと思う。歌唱についてもそうだが、楽器についても、村上の鍵盤はもっとガンガン鳴らしていくべきだし、横山もパーカッションorトランペットではバンドサウンドの支えとしては心許ない(村上次第というところはあるが)。欲を言えば、ギターを身に付けてもらいたいものだ。または、逆転の発想でヨコをメインボーカルに、という形もあり得るか(413manスタイルで)・・・いや有り得ないか・・・。

 常々、関ジャニ∞の中で最高の音楽的センスを誇るのは安田だと思ってきたので、このピンチを「安田爆発」という形で乗り切ってくれると個人的には嬉しい(ビジュアル的には暫く前から既に爆発しているっぽいが・・・)。
 いずれにせよ、5人というのはバンドの人数としては決して少なくはないので、仕切り直しの気持ちで新しいことにどんどん挑んでいって欲しいものだ。

 

 あと、卑近な話になるけれど、気になるのはシングルとアルバムのことだ。7人時代の最後のシングル「奇跡の人」「応答セヨ」は、その後の渋谷脱退によってオリジナルアルバムには収録し難くなったのだが、これは新たなベスト盤に入れると言うことで収まりが付いた。では、6人時代に出した「ここに」「crystal」という2つのシングル曲はどうなるか。まさかまたベストを出すというわけには行かないから、これらはオリジナルアルバム未収録ということになりそうだ。ということは、アルバムを出すまでにある程度のシングル曲が前以て必要と考えると、次のアルバムが出るのはいつになるやら・・・来年中に出すのは難しい気がする。待ち遠しい話だ。

 

 なお、この文章は『関ジャニ∞の元気が出るCD!!』(2015年)を聴きながら書いている。7人時代の最後の傑作だと思っている。錦戸は9月末を以てグループを抜け事務所を退所するのだという。6人時代にはアルバムを出すことのなかった、未来の5人時代の関ジャニ∞が一体どんなアルバムを届けてくれるか、不安が無いといえば嘘になるが、楽しみにしている。

 そう言えば、このアルバムの実質的なラストソング(と私が考える)「ふりむくわけにはいかないぜ」を、今の錦戸に是非とも聴いてもらいたいものだ。1番サビの最後「絶対振り向くわけには行かないぜ!」は彼が歌っている。ファンのわがままではあるが、「辞めるからには凄いもん作ってくれよ!」と、どうしても思ってしまうのだ。