こんなんだったっけ日記

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【旺福】新作の日本盤について(2)

 (1)を書いていて思い出したけど、本作の日本盤については邦題も気になるところであった。前作『旺得福』には、「わんだふう」という邦題が付いた。これは漢字のままでは日本人には読みにくいので正解だったと思う。新作の原題は上記のように『阿爸我要当歌星』である。バリバリ中国語なので、ちょっとそのままでは日本には出せない。意味が通じないから。
 で、本作の英語題(iTunesとかで世界的に販売する用だと思うが、旺福はアルバムにも各曲にも英語題を付けている)は"Papa I Want to be a Star"とされている。「歌星」なんだから単なるstarではなくpop starとするのがいいんじゃないかと思うのだが。で、今アマゾンで見る限り、邦題はこの英語題をそのまま片仮名化した「パパ・アイ・ウォント・トゥ・ビー・ア・スター」だそうである。これもなんだかなあ。日本語訳すれば良かったのに。実際、本作の冒頭に置かれた同名曲には「スター誕生」という邦題がちゃんとあるのだ。これをアルバムの題にも使えば良かったのに。「阿爸我要当歌星」にしても「パパ・アイ・ウォント・トゥ・ビー・ア・スター」にしても全部言うには長いし略称もやや決めにくいが、「スター誕生」ならばそれ自体簡潔だし、略称だって迷わず「スタ誕」で決まりである。


 そんなこんなの日本盤。買ったものかどうか。台湾盤だけで既に2枚持ってるのに、というのもあるが、そもそも日本盤を買う最大のメリットって多分日本語詞バージョンが入っていることなのだが、正直に言って僕はこれに魅力を感じない。日本人にとっては中国語で歌っていること自体が魅力の一つなのに、わざわざ日本語で歌ってもらってどうするのか。歌詞自体も、日本語と中国語の音節構造の違いと、メロディーに合わせる都合とがあって、翻訳と呼ぶには改変が大きなものになってしまっているようだ。これはまあ仕方がないことではあるのだが。
 『わんだふう』に収録の日本語詞バージョンについては、「原詞の意味を知る前に日本語詞バージョンを聴いてしまったら曲に対して誤ったイメージを持ってしまう!」と思い、結局未だに聴いていない。ただ、日本語詞バージョンで伴奏のアレンジもオリジナルとちょっと変えているというケースもこれまでにはあったので、その点はちょっと注目である。
 あと日本語盤だと対訳が付いているので、手軽に歌詞の内容を確認したい時には便利ではある。でもそれだけの理由で買うのもなあ(しかもこれまで通りだと、日本語詞バージョンがある曲は日本語詞のみを載せて原詞の対訳を載せない。これも問題だよなあ。上記のように日本語詞は原詞の忠実な翻訳では全然ないのに)。


 あ、あと今回評価できるのは、アマゾンでの曲目表で見る限り、日本語詞バージョンはボーナストラックとして本編の後ろに置かれていることだ。そんなの当たり前じゃないかと思われるかも知れないが、これまではずっと日本語詞バージョンはアルバムの最初に置いていたのだ。で、オリジナル・バージョンがボートラ扱い。しかも差し替えの結果曲順まで変えてしまっていた。おいおいである。
 まあ本国盤のコピーを作るよりは各国でヘンテコなモノを作った方が面白いと言えば面白いのだが、それにしてもねえ。これまでの旺福日本盤についてはもっと言いたいことがあるのだが、また別の機会に置いておく。
 旺福が日本で活動しやすくするためにはお布施と思って日本盤も買った方がいいのだろうか。幸い改変後のジャケットデザインもなかなか良いしな。買うかどうかはもうちょっと考えよう。

パパ アイ ウォント トウ ビー ア スター (阿爸我要當歌歌星)

パパ アイ ウォント トウ ビー ア スター (阿爸我要當歌歌星)