こんなんだったっけ日記

さよなら はてなダイアリー

今週(や先週や先々週)の音楽(9月1日-21日)

ブライアン・ベネット『チェンジ・オブ・ディレクション・ウィズ・ザ・ベスト・オブ・ジ・イラストレイテッド・ロンドン・ノイズ・プラス』
 仮名で書くとえらい長いタイトルだなあ。簡単に言えば『チェンジ・オブ・ディレクション』と『ジ・イラストレイテッド・ロンドン・ノイズ』という2枚のアルバムの2in1 CDなのだが、そう単純に言えない部分がある。個人的に「当たり」のCDなのでこれについては別の記事でちゃんと書きたい。

Change of Direction

Change of Direction


アニマルズ『アニマルズ』
 バンド仲間が貸してくれたCD。1枚目のアルバムだろうか。CDの題は「アニマルズ」なのだが、オビにある邦題は「朝日のあたる家」。本編ではなくボーナストラックに入っているみたいなんだけどどういうことだろうか。ライナーを見ると、楽曲は英国盤(+ボーナストラック)とのことだから、日本盤には当時独自に「朝日の当たる家」が収録されていたということか。中身は英国盤を基にしているのに、なんで日本盤のオビが付いているのか? ワケわからんな。
 アニマルズは、松村雄策らが「スカイ・パイロット」を絶賛してみたので聴いてみたが、あまりピンと来ず、「朝日の当たる家」もあまり好きでないし(ピンク・レディーのライヴ盤でケイちゃんがソロで歌っているのは好きだが)、これまであんまり良いと思ってこなかったのだが、本作は良い感じ。

アニマルズ(紙ジャケット&SHM-CD)

アニマルズ(紙ジャケット&SHM-CD)


たま『野球 ―たまグローブ座ライブ―』
 これはDVD。この記事で触れておきながら、結局買わずにいたのが、先日ハッと思い出してアマゾンで見たら売り切れ! それで「あの時に見たタワレコにあるかも・・・」と思って矢も盾もたまらず渋谷タワレコへ。DVDコーナーを見ると、ない。ところが「あのDVDはケースがCDサイズだから、間違ってCDのコーナーにあるかも」と思って確認すると、あった!! なんてラッキーだと思ってウキウキで購入。アマゾンから「あなたへのおすすめ」とか言ってこのDVDの再入荷を知らせるダイレクト・メールが届いたのはその数日後であった。
 中身は勿論文句なし。「らんちう」を演っていないのは残念だが(あとテレビでは「こわれた」も放送されたらしい。それは観たいなー)。「おるがん」にはいつも泣かされる。主目的は最後の「おやすみいのしし」を観ることだったのだが、こちらもやはり素晴らしい。この曲はスタジオ版よりかなりテンポが速くなっていて、ロックバンド然とした映像の迫力もあいまって絶対この「野球」バージョンがおすすめです。以前はYouTubeに上がっていたのだが現在はないみたい。ニコニコ動画にはまだあります(http://www.nicozon.net/watch/sm2000569ではログインなしで観られる)一度御覧になって気に入ったらDVDの購入をお勧めする。アマゾンで買えるようですので。

野球 ~たまグローブ座ライブ~ [DVD]

野球 ~たまグローブ座ライブ~ [DVD]


ゼリ→『FIRE ARROW "LIVE AT AKASAKA BLITZ 2008 0623"』
 これもDVD。彼らの最後のアルバム『FIRE ARROW』が、何故か新品600円という激安で出ていたので、データでは持っていたのだけど購入。そのついでにこのDVDも(中古で安くで出ていたので)購入。ゼリ→のライヴ映像作品を観るのは初めて。どうしても『RODEO★GANG』の頃のイメージがあるので、後期ゼリ→のヴィジュアルにはいつも戸惑ってしまう。ギタリストが太っちまったのは、サーフィス・ファンとしては同病類哀れむという感があるが。
 ヤフミのボーカルがかなり不安定だとか、MCや身振りがサムい(本当にサムい)といった難点もあるが、充分興奮させてくれる。『FIRE ARROW』の素晴らしさを再確認。「FIRE ARROW」ではなく「7 SECONDS TIME BOMB」から始まるという趣向も面白い。「変身キャンディ〜×× PON〜変身キャンディ」のメドレーは正にハイライト。
 他のアルバムからの曲もちょいちょい演っているのだが、まさか『RODEO★GANG』から演ってくれるとは・・・勝手に「捨てた過去」と思っていたのだが、全然違ったようだ。観客も、初期からのファンが多いようだ。これまた勝手に、4枚目の『Be Silent Fuckin' Riot』(傑作)でファン層がガラっと変わったと思っていたので。

FIRE ARROW~LIVE AT AKASAKA BLITZ 2008 0623~ [DVD]

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ボブ・ディラン『ジョン・ウェズリー・ハーディング』
 前週に引き続き、何度か聴いた。1曲1曲は聴きやすいし、なんか昔話・寓話っぽい曲が多くって面白いのだが、前作『ブロンド・オン・ブロンド』や『血の轍』なんかに較べると、なんかガツンと来るところが乏しいような気もする。「見張り塔からずっと」(ずっと疑問なのだが、邦題ってこれが適訳なのだろうか)ってこんな歌だったんだなあ。「漂流者の逃亡」はオチがさくらももこの『神のちから』風で面白い。やはり天才同士通じ合うものがあると言うことか。「悪意の使者」の締め括り"If ya cannot bring good news, then don't bring any"(良いニュースがないなら何も言うな)というのは忘れがたい。「フランキー・リーとジュダス・プリースタのバラッド」の締め括りの「この話の教訓は〜」というくだりも面白いのだが、長くて引用が面倒なので省略。


ライ・クーダー『ボーダーライン』
 これも前週から引き続き。愛聴盤になるかも。本作を含む11枚のアルバムを収めたボックスがアマゾンで3800円で出ており、ちょっと悩んだのだが「値上がりするかも・・・」と思って購入。11枚で3800円ってどういうことでしょうね。つい割り算してしまう(345円/1枚)。


かまやつひろし『スタジオ・ムッシュ
 以前に購入した70年代後半のムッシュの4枚組みボックス『Complete Trio Years Box』の3枚目。そう言えばこのボックスは元々4000円だったのに今アマゾンでは1万2000円ですよ。元値の3倍。こういうのを見ると、4000円で買った身としては優越感を覚えるよな。まあ『野球』みたいにまた再入荷されるかもしれないけど。
 でも4枚組みで1万2000円だったら、1枚3000円なんだから、別に高くないとも言えるよな。
 さて。同ボックス2枚目の『ウォーク・アゲイン』はA&R臭味が強すぎてというかムッシュ臭味が弱すぎてというか、とにかく一聴して「これはいかん」という感じだったのが(その後一度も聴いていない)、本作は同じ路線ではありながら同1枚目『ファースト・ライブ』のサウンドに回帰して、ごく自然な感じになっていて、自然と何度も聞き返している。
 楽曲も面白いものが多い。セルフカバーを含め、全曲ムッシュの自作であるというのも良い。A面の1曲目「ボブ・ディランは今、何を考えているか?」(元ネタは「サブタレニアン・ホームシック・ブルーズ」か)と3曲目「ウラトビサスケは使えない」の2曲でタモリハナモゲラを披露しているが、面白いのは圧倒的に後者である。
 大傑作『ムッシュー かまやつひろしの世界』からは「20才の頃」をセルフカバー。これは『ムッシュー』収録曲の中ではどちらかというとあまり好きでない曲なのだが(「俺の20才は全然こんなんじゃなかったよ!」という嫉妬かも)、このカバーはなかなか良い感じだ。コーラスの女性は上手いんだか下手なんだかだが。
 シングルにもなった(アルバムは別バージョン)「青春どんづまり」は良い曲だ。メロディーも歌唱も良いが、歌詞がいいんだ(作詞は南せいじ)。「分かれ道に来たけれど どっちに行こうか迷ってる ゲタでも投げれば そりゃハッキリするけど スニーカー履いてちゃままならないよ」。沁みます。
 なおCDにはオマケとしてシングル「青春どんづまり」のピクチャー・スリーヴ(ジャケット)が付いているのだけど、このジャケ写はあまりにも強烈ですね。今までに見た中で一番かも知れない。晴れた土手に腰かけて、エルヴィスみたいな、革のカバーのついたアコギを抱えてくしゃくしゃの笑顔を見せるムッシュ。構図もすごいが笑顔もものすごい。35年前の作品ではあるが、当時としてもこれは「ナシ」だろう、流石に。ギャグなのかなと疑ってしまう。撮影ロケの様子なんか想像すると、呑気で楽しそうではあるが・・・。

スタジオ・ムッシュ

スタジオ・ムッシュ

Complete Trio Years Box

Complete Trio Years Box