こんなんだったっけ日記

さよなら はてなダイアリー

今週の音楽(2014年3月31日〜4月13日)

・Cidinho e o Som Tropical『Muito Suingue』
 仮名で書くと、シヂーニヨ・エ・オ・ソン・トロピカル『ムイト・スインギ』。シヂーニヨさん(ピアノ、テカルド)を中心とするブラジルのバンド。ジャケットにはメンバーであろう8人の男女が映っているのだが、見事に8人とも笑っている。これはこれで珍しい。流石ブラジルだ。
 ブラジルだから歌詞はポルトガル語だろう。歌詞カードも対訳もないので、何を歌っているのか本当に判らない。まあ英語の歌手も大半は何を歌っているのか知らずに聴いているので、大した違いはないのだが。
 今年初CD化されたアルバムとのことだが、オリジナルは1980年。このサウンドはなんか覚えがあるなあと思ったら、『14番目の月』だ。「さざ波」「天気雨」、あるいは別のアルバムだけど「コバルト・アワー」「アフリカに行きたい」なんかのサウンドが好きな人にはグッと来るんじゃなかろうか。
 なお、最後の数曲で少々音割れがあったが、これは視聴のCDでも確認されたのでマスターに起因するものらしい。惜しい。


MUITO SUINGUE ムイトスインギ

MUITO SUINGUE ムイトスインギ

  • アーティスト: CIDINHO E O SOM TROPICAL シヂーニョ・エ・オ・ソン・トロピカル
  • 出版社/メーカー: THINK! RECORDS
  • 発売日: 2014/01/08
  • メディア: CD
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かまやつひろし『WALK AGAIN』
 「コンプリート・トリオ・ボックス」の2枚目。いかにもAORという感じなのだが、ううむ、これはちょっとピンと来ない。サウンドもさることながら、ムッシュの自作曲が1曲しかないというのも原因か。でも最後の曲「霜の降りた朝」の間奏でのムッシュの「語り」は泣かせます。

ウォーク・アゲイン

ウォーク・アゲイン


・Tony Kosinec『Bad Girl Songs』
 友達が勧めてくれた「'48 Desoto」という曲が大変気に入ったので、その友達に貸してもらったアルバム。エルトン・ジョンベン・フォールズを足したような印象(あれ、ひょっとしてそもそもベン・フォールズがエルトンっぽいのか?)。1970年のアルバムだそうである。

バッド・ガール・ソングス(紙ジャケット仕様)

バッド・ガール・ソングス(紙ジャケット仕様)


すかんち『恋のロマンティック大爆撃』
 以前、『恋のウルトラ大作戦』をブックオフで250円で買ったと書いたが、同じ時に本作も買った。こちらは750円。
 折しもつい最近、ソニーのオンデマンド通販ですかんちの全アルバムがリマスターだか何だかされたバージョンで買えるようになったようだ(それまでは廃盤だった)。でも「大作戦」にせよ「大爆撃」にせよ、元のCDの音もなかなか良いように僕には思えるので、3000円出して新しいバージョンを買うなら旧バージョンを中古で500円で買うので良いかなあ。(ところで『レコード・コレクターズ』5月号の裏表紙ウラにこのソニーのオンデマンド通販の広告が出ていて、一覧にすかんちのボックスが載っているのだが、これ今は品切れだよな。期待させるような広告出さないで欲しい)。
 それはともかく「大爆撃」。「大作戦」に次ぐ2作目であるが、確かに音楽的な幅は広がったように思える。あとロック度が高くなったかな。「怪傑!笑い仮面」が耳から離れない。あと「好き好きダーリン」。♪頭はピッコピコよ〜。終盤の「UFOよりも好きなのよン」というのは、ハナ肇か何か、日本のコミック・ソングの趣きがある。「恋の1,000,000$マン」や「109で待っててよ」は、『Histric Grammer』のバージョンを先に聴いたのでちょっと違和感。

快傑!笑い仮面

快傑!笑い仮面


・『在りし日のヴェトナム 1937〜1954』
 最近、渋谷のタワレコに行くとワールド・ミュージックのコーナーを覗いて、未経験の魅力的な音楽がないか探してみるのだが(上記の『ムイト・スインギ』もそこで見つけた)、この『在りし日のヴェトナム』も同コーナーで大プッシュされていた1枚。何しろ視聴機の1番目で、ポップまで作ってあった。タワレコのこういう目配りの広さには感心させられる。
 一見するとヴェトナムの民族音楽のコンピのように見えるのだが、そうではなくて、フランス統治下にあって彼の国の音楽の影響を強く受けながらもヴェトナムの「素の部分」もちゃっかり顔を出している、そういうチャンポン音楽を中心に集めた1枚なのだ。これは面白いですよ。買って良かった。

 こういう曲が沢山入っている(この曲もCDに入っているが、これとはテイクが異なる(恐らく録音時期がコレよりも随分古い))。それだけでなく、仏教の読経を録音したものなんかもあって、これはこれで興味深い。
 実はベトナム語は大学学部生の頃に1年間勉強したのだが、今では全然憶えていないので、このCDの曲の歌詞も一切聞き取れない。惜しいことである。
 それにしても、この購買意欲の湧かないジャケットは・・・ウソでもアオザイ美人画でも使っておれば売り上げも桁違いであろうに(ジャズにはそういう稼ぎ方をしているCDが結構あるように思えてならない)。しかしそういう姑息な手段に走らないところがまた好感が持てると言えなくもない。

在りし日のヴェトナム 1937〜1954

在りし日のヴェトナム 1937〜1954


ROLLY & Glimrockers / Rama Amoeba (4月7日@下北沢GARDEN)
 上記の如く今更ながらすかんちにハマっているもので、ローリーのライヴが観たいと言うことで2週間かそこら前に取ったチケット。ROLLY & Glimrockersはこれが初ライヴとのことである。ドラムが小川ポンプ、ギターが松本タカヒロ、ベース&キーボードが永井ルイ。アキマツネオのバンドRama Amoebaとの対バン。
 客層は、男女比3:7くらいか。何というか、トウの立ちかけor立ちきった女性(且つ化粧は濃い)が客層の中心であるようだった。男が中心と思っていたのでコレは意外だった。ローリーは「立ち振る舞いは完全にギャグの域なのだが、それが一周回って格好良い」というのが僕の大凡の認識なのだが、彼女たちはどのようにローリーを見ているのだろうか。まさか「純粋にカッコイイ男性」なのかな。気になる。
 グリムロッカーズは、テーマ曲を新たに作ったのと、1曲新曲があった(ボーカルは永井)他はすかんちやローリーのソロ曲を演っていたようだが、僕が知っていたのは「Mr. タンブリンマン」のみ(これは盛り上がった)。他は、2曲目くらいで四人囃子の「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」のイントロが始まったので喜んでいたら、曲は全然別物だった。その後で「You You You」のリフを盛り込んだ曲も演っていたが、これも曲自体は全くの別物だったな。
 そんなワケで知らない曲ばかりだったのだが、ライブは凄く楽しかった。どの曲もポップで、ロックで、グラムだった。知らない曲であんなに楽しませられるなんて凄い。まず、みんな上手いです。当たり前のようなことだが。ローリーはずっと改造テレキャス(シンラインを基に、トレモロを付けて、多分サステイナーも付けて、あとオン・オフ等のスイッチを幾つか付けた奴)を弾いていた。なんかワーミーみたいなペダルでヘンなこと一杯やってたな。アーミングしまくってたのに全然チューニングしてなかった。危なげないプレイで感心した。もう一人のギター、松本(大泉洋に似ている)は白いストラトで親近感。
 永井のベースは形はヘフナーで、スケールも多分ショートなのだが、ソリッド・ボディーで、ロゴはグレコのように見えた。これも格好良かった。プレイも理想的なハードロック・ベースでした。そして何と言っても小川ポンプ! 肉付きはヤバかったですが(ビビった)、ドラミングは正に和製ボンゾで、これが聴けただけで満足。
 なお、最後の方に演っていた曲が非常に格好良くって、何度も「Feel so fine」と歌っているようだったのでこれを元に色々検索してみたが全然出て来ないので諦めていたら、YouTubeすかんちのPVなどを観ていた時に偶然「He is So Fine」という曲が出て来て、これがアタリだった。ソロ初アルバム『ROLLY’S ROCKROLLLY』に収録。
 グリムロッカーズの次がラマ・アメーバ。僕は「イカ天」出演時以外のアキマツネオを初めて見ましたが、ううむ、失礼ながら殆どオバチャン化していてこれまたビビった。ところが女性ファンがキャーキャー言っている。僕のすぐ前にいた30ちょい過ぎくらいの女性2人は演奏中に「これケイレンしとるんちゃうか」と怖れるくらいの激しさでノッていた。日本の知らない部分を一つ垣間見たような気がした。アキマさんはMCは面白かった。あ、あとサイド・ギタリストは今風のヴィジュアル系っぽい風貌&顔つきで、なんか全然グラムの雰囲気になっていなかったなあ。というか、4人とも風貌がバラバラっちゃあバラバラなんだよな。不思議なバンドでした。でも確かに上手い。
 知っている曲は一つもなく(まあマルコシアス・バンプも「バラが好き」しか覚えてないしなあ)、単調に思えるところもあったが、演奏が上手いもんで結構楽しめた。最後はローリーを呼んで「20th Century Boy」でシメ。


和田誠阿川佐和子「いつか聴いた歌 トーク・ライブ」(4月8日@池袋コミュニティ・カレッジ
 和田誠の『いつか聴いた歌』の増補版が先日発刊された。スタンダード・ナンバーを集めた和田氏監修による同名のコンピ集も出ていて、その収録曲を和田氏自身が所有するLPで聴こう、という企画。和田さんが曲紹介をしてくれ、聞き役は阿川佐和子和田誠と言えば小学生の時に星新一のショート・ショートの挿絵で知って以来、僕にとっては殆ど「生ける伝説」と言っても良いくらいのお方なのだが、そんなお方を5メートル先に見られるとは! 東京は凄いところだ。阿川佐和子は、喋りはあまり好きではないのだが(この日もちょっと「バカ役」を演じすぎではないかと気になった)、文筆の才は周知の通りであり(個人的には壇ふみが一歩勝るという印象だが)、見られて嬉しい。美人でした。
 和田誠は、文章を読んでいると非常に物静かな印象を受けるが、結構積極的に色々喋っていたし(まあそういう企画なのだが)、見た感じ普通のおじさん、むしろちょっと剽軽かなというくらいの印象だった。やや意外。この人が平野レミの旦那で、和田唱の父なのか!と思ってみてもあまりピンと来ない(それにしてもすげえ家族だな。和田唱には確か兄(弟だっけ?)がいたと思うけど、どんな人なのだろう)。
 持参のLPはちゃっかり自身がデザインしたディスク・ユニオンのカバンに入れてある。阿川さんが「それは和田さんが作ったんですか?」と訊くと「作ったのはカバン屋さんですが・・・」とベタベタの返答をしていた、我が生ける伝説。
 その一方、ドリス・デイ(まだ健在だったんだドリス・デイ!)の新譜が最近出たという話で、「それを聞いて僕は早速タワーレコードに買いに行ったんです」・・・ってディスク・ユニオンちゃうんかい!と心中でツッ込んでしまった、我が生ける伝説。