こんなんだったっけ日記

さよなら はてなダイアリー

楽譜を手に取れ、大倉忠義を聴け

 このブログでもちょいちょい記事を書いているように、今年のはじめにべースをレフティに持ち替えて練習を始め、4月には同じくレフティのギターを買って少しずつ練習しているのだが、実はもう一つ始めた楽器があって、それはドラムである。
 ドラムと言っても、6月頃に楽器屋さんに行って、「ドラムを始めてみたいのですが、初心者向きのスティックはどれですか」と訊き、薦められたスティック一組(パールの110H。一組1000円くらい。さっき知ったけど、これは元々TOTOジェフ・ポーカロのモデルらしい)を買って、家でパタパタと膝や座布団を叩くだけである。吹奏楽をやっていた中学生の頃、楽器庫の前でパーカッションの連中がメトロノームに合わせてひたすら丸椅子をパタパタパタパタ・・・と叩いていたのをよく見かけたが、あれを思い出す。スタジオに入って本物のドラムセットを叩いたのは、7月、9月、10月に一回ずつ。もう少し頻度を上げて上達に繋げたい。
 流石にひたすらパタパタやるのも詰まらないので、ラヴェルボレロ」のイントロを練習してみたり、家にあるバンドスコアで手の付けやすそうなものをなぞってみたりしている。ビートルズの「She Loves You」など。今はインターネット上に色々と練習動画が上がっているので大いに助かる。なにしろ「She Loves You」とそのドイツ語版である「Sie Liebt Dich」の両方の演奏動画をアップロードしている人なんかもいて、感心してしまう。
 さて、ここで唐突に話が関ジャニ∞に移るのだが、折角『BAND SELECTION』を持っているのだから何か手を付けてみようと、コンサートでのバンド曲の定番でありテンポも比較的ゆったりとした「ローリング・コースター」の練習を始めた(膝で)。暫くして気付いたのだが、これは1曲目の選択としては誤りで、「LIFE」や「ツブサニコイ」の方が基本のパターンはシンプルである。「ローリング・コースター」は基本的に所謂「四つ打ち」のドラム・パターンであるが、それと並行して動くハイハットの開け閉めがひどくやっかいである。
 ギターは右手と左手の動きで演奏するもので、しかも右手と左手は基本的に連動したものであるのに対して、ドラムは両手両足のそれぞれが独立した動きをする。これが難しい。今更私が言うまでもないようなことではあるが。
 そんで、難しいな〜と思いながら、バンドスコア片手に『FIGHT』ツアーのDVDを観ると、いやー、立派なもんです大倉忠義。「後悔はしたくな〜い♪」、よくこんなん叩きながら歌うわ。初歩の初歩でもドラミングの知識があった上で改めて大倉のドラミングを見ると、ほほ〜ここでこんな動きをしていたのか、とか、この部分カッコイイとは思っていたけどこのタイコを叩いていたのか、とか、発見が沢山ある。また、バンドスコアと見比べてみると、どの部分をオリジナルに忠実に叩き、どの部分を省略し、どの部分を新たに付け加えているかということも判って非常に興味深い。特に「宇宙に行ったライオン」や「ツブサニコイ」は、楽譜を見ながら聴くと、ゾクゾク度合いがぐぐっと上がる。音符を見ながら聴くと、楽器の動き、ひいては音楽の動きがより明瞭且つダイナミックに見えてくるのだ。クラシックではスコア(総譜)を見ながら楽曲を鑑賞するということが一般的に行われていると思うが、なるほどこういう効果があるのかと、得心がいった。ドラムは特に曲調の変化に細かく対応しているので、よりそれが感じられるのであろう。
 そこで思った。大倉ファンはドラムをやるべきである。
 別に家にドラムセットを入れる必要はない。私のようにスティックを買って膝なり座布団なり『週刊少年ジャンプ』なりをパタパタやるところから始めれば良いのである。因みにバンドスコアによると大倉御用達のスティックはベータ(Vater)というメーカーのPower 5Aという型だそうで、本人と同じモノが一組1200〜1300円程度で買えるようだ(アマゾンや楽天などの通販サイトにもある)。この点、安田や錦戸と同じモノを買おうと思えば数十万の出費は免れ得ないギターとは大違いである(まあ比較対象が不適当なんですけどね)。
 さて、どうして大倉ファンはドラムを叩くべきなのか。ツアービデオなどの映像を観れば、大倉のドラムの叩きっぷりというのは素人にもなんとなくは判る。また、ある程度音楽に関心があれば、フィルインがどうの、バスドラがこうの、といったことも判るであろう。でも実際にドラムを「自分の経験」として知ってみると、彼のドラミングの具体的な細かい動きや、その難易度の如何が、ハッキリと感じられるようになる。要するに「大倉忠義が目の前で何をやっているのか」が体感的に理解できるようになるわけである。この感覚は、ファンであれば是非とも知っておきたいものではないだろうか。
 ツアービデオでは、各々の楽器の音がなかなか聞き取りづらいのだが、幸いにしてドラムは比較的はっきりと聞こえる。この点、他メンバーのファンよりも大倉ファンの有利なところと言える(ついでに言えば次に有利なのは安田ファン、その次が丸山ないし錦戸ファンか)。
 少し勉強すれば、ドラムセットの大体の構成と、ドラム譜の基本的な読み方くらいはすぐに判るようになるだろう(実は私自身まだこの段階である)。そうしたら是非バンドスコアと比べながらコンサートの映像を観てみてほしい。きっと上述のような効果が得られることと思う。また入門曲としては「ツブサニコイ」が一番良いようで、おそらく基本パターンの習得はそれほど困難ではない。あるいは「ミセテクレ」冒頭のデデッデデー♪だけひたすら練習するというのも楽しかろう。
 大倉忠義の「一挙手一投足」を知りたい感じたいと願うエイターは、須くスティックを握るべし。