こんなんだったっけ日記

さよなら はてなダイアリー

豊作の予感

 普段買うCDは所謂「新譜」ではなく、60年代とか70年代にリリースされた作品が多いのだけれど、この数ヶ月は「新譜」に惹かれるものが多い。
 まず、既に入手したものとして、7月末に出たマキシマム ザ ホルモンの『予襲復讐』とバディ・ガイの『Rhythm & Blues』。どちらも素晴らしい。『予襲復讐』は本当は全曲の感想を書きたいのだけれども、些か機を逸した感があるな。もし英語で歌われていたらグリーン・デイの『American Idiot』に匹敵する評価を得る作品であろうと思う。その意味では残念というか、日本人でラッキーというか。とにかくパワーとアイディアに満ちた一枚である。 

 『Rhythm & Blues』は、まず80歳近い爺さんが2枚組のオリジナル・アルバムを出したというだけで驚きだが、内容もとことんアツい。

 バディ・ガイは77歳だが、小野洋子は80歳である。まだ買っていないけれども、プラスチック・オノ・バンドの新譜がつい先日出た。元々僕の軟弱な耳には彼女の音楽はツラいものがあるのだが(そのせいで『Double Fantasy』もまともに聴けていない)、少し試聴したところ、今回の新譜は僕の耳にも面白く聴けそうである。

 話が戻るが7月にはジョン・スコフィールド『Überjam Deux』も出た。これは人からCDを頂いて聴いたもの。実は今までジョンスコは全く聴いたことがなくて、冗談抜きでスコフィールドとペトルーシの違いもちゃんと判っていなかったくらいなのだが、聴いてみると予想よりずっと面白かった。なんかもっと、渡辺香津美みたいなのかなと思っていたのだが(と書くと渡辺香津美は面白くないと思っているみたいですが、そういうわけではない)、ヘンテコなフレーズを結構挟んできたり、サウンドもなかなか先鋭的で、新鮮であった。上原ひろみが好きなロック・ファン(私のことです)にはお薦めできる。あと、ベースがちょっといいなと思ったのでパーソネルを見たら、アンディ・ヘスという人で、なんとかつてブラック・クロウズのメンバーだったらしい。器用な人なんだね。

 さて話を続けると、今月の21日には吾妻光良&The Swinging Boppersの待望の新作『Senior Bacchanals』が出る。みんな買いましょうね。『Player』誌の連載で「もう録り終えてマスタリング中」というようなことが書いてあったので、もうすぐ出るだろうと思っていたがこんなに早いとは思わなかった。
 バッパーズのアルバムはタイトルの頭文字がS.B.になるのが恒例であるが、ワザとかも知れないけれど割といつも難しい単語が出て来る。Bacchanalはどんちゃん騒ぎ、又はどんちゃん騒ぎをするヒトのことであるという。曲目は、一曲目から「おまえ誰だっけ」で、いきなり笑わせてくれる。まだ聴いていないけれど、歌詞の雰囲気は大体判る(「大学でたのかな」に近い作風の筈だ、多分)。「Gumbo de Twitter」や「昔だったら定年だ」など近年のライブでお馴染みの曲が収録されるのはめでたい(「クリムゾン・キングの宮殿」が収録されないのは残念。あと、「栃東の取り組み見たか」が音源化されるのはめでたいが、それならば八百長問題を題材にした「800 Long」も是非収録して欲しかった! DVDが出るというウワサもあるのでそちらでの収録に期待したい。いや「800 Long」は無理か・・・有り難いことにこちらで観られます)(12月1日補注、「クリムゾン・キングの宮殿」は随分前に『アンファン〜21世紀の子供達に捧げるスタンダード集』で音源化されていました)。「顔のシワ」や「Big 盆 Boogie」はライブで音源化されているが、スタジオ録音は初。名曲「俺たち愛称いいぜ」は再録? 違う?

 このブログで既に何度も書いているように、僕にとってのギタリストの双璧は吾妻さんとジェフ・ベックであるが、ジェフの方も所謂新作ではないが10月にニュー・アイテムが出る。ベック・ボガート&アピスの来日公演アルバムの40周年記念盤だそうである。実はベックのキャリアにおいてBBAは僕は今ひとつピンと来ないグループなのだが、それでも手に入れずばなるまい。 

 10月9日には椎名慶治の『Phase』が出る。サーフィスのファンには言うまでもないことだが、彼らの最初のアルバムの完全セルフカバーである。同アルバム中の多くの曲はサーフィスや椎名ソロのライブで観ているが、「ふたり」「ひとつになっちゃえ」「まだまだ」といった楽曲は、別バージョンを今まで聴いたことがないので楽しみである。『Phase』は僕にとっても非常に思い入れが深い一枚なので(もっと言えば僕の音楽人生の中で一番重要な一枚である)、中途半端なことはしてくれるなという気持ちはある。「それじゃあバイバイ」を試聴してイマイチだった旨を先日書いたが、まだまだ希望は捨てていません。


 10月14日にはポール・マッカートニー待望の新作『New』が出る。この14日というのは世界最速だそうだが、確か夏頃の『Rock Show』のDVDも世界最速って言ってたのに延期になって最速じゃなくなったよな。だからあまり期待しないが吉かも。それはそうとこのアルバムは、所謂オリジナル・アルバムとしては2007年の『Memory Almost Full』以来である(この間にファイアーマン名義のとか、クラシック作品のとか、カバー中心のアルバムなんかは出ている。働き者である) 。
 ポールと言えば大阪公演の場所がいつまで経っても発表にならないので随分とやきもきさせられたが、先日やっとこさ発表された。まさか2ヶ月も待たされるとは。しかも結局大阪ドームだしな。応募はするが、チケット取れなくても文句は言えない。東京公演のを既に持っているから。
 来日も勿論、超が付くほど楽しみなのだが、新作も楽しみだ。前作『Memory Almost Full』はキャリアを代表する傑作だと思っているので、それに次いでどんな作品を聴かせてくれるか。ライブでもタイトル・トラックの他、2,3曲は演るんじゃないかな?

 そして10月16日には、関ジャニ∞の2年ぶりのオリジナル・アルバム『Juke Box』が出る。全15曲で、うちシングル曲は4曲なので、前作『Fight』に較べるとシングル曲の割合は若干減っている。個人的には良い傾向である。1曲目が「あおっぱな」というのも良いな(補記:曲順はこの後変更された)。
 CDは例によって3種類発売されるようだ。それぞれ魅力的ではあるが、ふざけた商法にみすみす乗っかるのも不本意なので、取り敢えず通常盤しか買う予定はなし。
 アルバムのリードトラック(って何だろうか)だという「TAKOYAKI in my heart」はヒャダインこと前山田健一の提供。ヒャダインってモモクロの人でしょう、というのは判るのだけれど、肝心のモモクロの曲を一つも知らないので判断材料にならない。ところで、ジョニー・ルイス&チャーの大好きな曲に「Song in my heart」というのがあって、これがバラードなものだから、「TAKOYAKI in my heart」もバラードのイメージなのだけれど、流石に違うかな。

 他の提供陣を見ると、どうもあまり心惹かれないなというのが正直な印象。印象が覆されるのを期待しておりますが。安心印のTAKESHI提供曲は結局「へそ曲がり」だけか。「夕闇トレイン」の田中秀典、作曲・編曲:野間康介というペアは「ローリング・コースター」と同じなので期待される。2曲で編曲を担当している久米康隆が「久米康嵩」となっているが、改名したのかそれともこれが元々の名前なのか。Peachという見慣れぬ名前の人がいきなり3曲で参加しているが、さてどうであろうか。
 今回もメンバー自作曲が入った。1曲だけなのは残念だが。錦戸と安田の共作の、「Your WURLITZER」。題からするとまさか村上信五がテーマであろうか。ところでウーリッツァーって固有名詞じゃないの? だとしたら紅白では歌えないな・・・まあ要らぬ心配であろうが。