明暗の2曲
僕にとって一番重要な音楽グループはザ・ビートルズとサーフィスである。余程のことがない限りこれは変わらないであろうが、如何せんビートルズは1970年に、サーフィスは2010年に解散している。それでまあ仮託というんじゃないけれどもポール・マッカートニーと椎名慶治が現在の僕にとっての最重要ミュージシャンになっている。
偶然ながらこの両者が最近新作の音源をインターネット上に公表した。どちらも来たるアルバムからの1曲である。ポールのは完全な新曲、椎名のはサーフィスのデビュー曲「それじゃあバイバイ」の新録である(アルバムもサーフィスの1枚目のアルバムを丸々カバーしたものだそうである)。
で、まずポールの方だけれども、新作のタイトル・トラック「New」。
『Chaos and Creation in the Backyard』や『Memory Almost Full』といった近年の作品でもリードトラックは割とサラッと作ったような印象の曲であったが、今回もそんな感じ。食い足りない感がないではないのだが、でも「Then we were new」締め括りのコードの展開なんかはちょっと意表を突く感じだし、あと歌詞が良い。
One lucky day you came along, just in time
While I was searching for a rhyme
You came along, then we were new
ま、こんな歌詞の曲、前にも作っていたような気もしますけれど。
ベース音は小さいが、ニヤっとさせられるところもある。アルバムに期待が持てる1曲である(なお新作は「“BACK TO THE BEATLES”アルバム!」と紹介されているが、"Beatly"(綴り合ってるかな)だとされた大傑作『Tug of War』を彷彿させるフレーズである)。
一方、椎名の新録「それじゃあバイバイ」であるが、・・・ううむ。こちらで短い音源を試聴しただけなので何とも言いかねるのではあるが、ちょっとマズそうな感じである。今年の椎名は『S』という素晴らしいアルバムを出してくれたので、新作がちょっとくらいコケても別にいいのだが、でもなまじ『Phase』の全曲カバーだからな。あと、椎名の音源を試聴して「まずいな」と思ったことが殆どないので、いささか不安。
マジで頑張ってくれよ、と応援するしかない。と言ってももう完成しているんだろうけど。
しかし10月はポールも椎名もアルバム出してくれるんで嬉しいなー、と思っていたら、なんと関ジャニ∞も出すという(『JUKE BOX』、いい題だ)。これについてはもう少し情報が出てから書きたい。