こんなんだったっけ日記

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日の出食堂の青春

 はるき悦巳『日の出食堂の青春』を読んだ。村上龍『69』などと一緒に実家の近所のブックオフで105円で買ったもの。これはええ買い物をしました。もったいなかったけど一気に読んでしまった。
 はるき悦巳と言えば民族文学の大傑作『じゃりン子チエ』で知られるが、本作は『じゃりン子』連載開始から数年した頃に書かれたものとのことで、確かにそんな感じの画風である(僕は『じゃりン子』だとコミックス15〜20巻くらいの絵が一番好きだが)。
 話は、高校も行かず実家の店の手伝いもせずでのらくらしている男4人が、町のアイドルのミッちゃんが迫丸という彼らと同級の元不良と付き合いだしたらしいというのでヤキモキするところから始まるのだが、猫こそ出て来ないものの人々の会話に悦巳フレバーが満ち満ちていて、実にシアワセな気分で読み進められる(「おいしい おいしい ああ おいしい」)。
 ミッちゃんはチエを成長させたようにも見え、また登場2コマ目(この時のミッちゃんが一番可愛い)は『じゃりン子』で出て来た若いころのヨシ江はんそっくりである。そしてまた終盤で登場するミッちゃんの母親が現在?のヨシ江はんにそっくりで……パチンコ屋にはテツが出没するし、「敢えて」なのかなと思わせるが、しかし『はたらき蜂』という劇中映画に出て来る女の子もミッちゃん(≒若かりしヨシ江はん)によく似ているので、ひょっとして描き分けが出来ていないだけかとも思われる。
 それにしても、ええなあ、迫丸。