こんなんだったっけ日記

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箒木(一)

 帖初めから新大系の区切りで5まで(〜猶あくまじくみえ給ふ)。
 冒頭の、「光源氏名のみことことしう・・・」という言い方は、読者が既に源氏のことをよく知っているという想定があるように思われて、この長編が須磨あたりから書き始められてそれ以前の帖は後から足されたものであるという話を思い出す。

 源氏物語全編を通して目に付くのが、「男が何かにつけ持論を傾けたがる(特に女について)」という点で、これが結構苛々するのだが、雨夜の品定めというのはその初めにして代表である。今日読んだのはまだ前口上だが(どれくらいの品位の女がいいか、とか)。

 源氏の「白き御衣どものなよよかなるに、なをしばじかりをしどけなく着なし給て」という姿について、この前ぱらぱら読んだ『王朝文学と服飾・容飾』(河添房江編、竹林舎)所収の対談で何か面白いことが語られていたのだったが忘れてしまった。なんでも随分とだらしない(しどけない!?)格好で、「女にて見たてまつらまほし」という周囲のアヤシイ心情とよく呼応したものだったということである。